JNEWS会員配信日 2015/5/14
日本は「貯蓄を美徳」とする国民性で知られているが、高齢者を除いた現役世代をみれば、日々の生活に追われて、貯蓄をする余裕はそれほど無いのが実情だろう。
総務省の全国消費実態調査によると、1世帯あたり平均で「約2600万円」もの資産を保有しているが、その7割以上がマイホームの不動産価値を評価したもので、住宅ローンの残高(負債)を差し引いた、金融資産の貯蓄高は 500万円に達してない。
資産はできるだけ増やしていきたいが、貯蓄のために日常生活に支障が出てしまうような暮らし方は、本当の豊かさとは言えない。そこで着目したいのは、現状では「モノによる資産」が過小に評価されていることである。
自動車を除くと、家財道具の価値は二束三文にしかならないのが実態だが、金銭に換えられる流動性を高めることで、資産としての価値は上昇する。昨今は、ネットオークションで様々なモノを換金できるようになってきたが、高額品の売買には不向きな面もあることから、モノを「資産」として扱える売買マーケットには、まだ開拓の余地が残されている。
また、高級品の売買も、節税対策や代替投資の方法として見直されてきている。
相続税の改正や、マイナンバー制度の導入により、“金融資産のガラス張り化”は進むことになるため、富裕層の中では、金融資産の一部を「有形(モノ)の資産」に置き換えておこうとする動きが出始めているのだ。
高級車、宝飾品、貴金属、腕時計、美術品、年代物のワインなど、高級品を資産として保有することは「嗜好品投資」と呼ばれており、世界での市場規模が拡大している。
エコノミスト誌が、コレクション市場の価値変動を示した指数によると、従来の美術品などに並んで、「ギター」などのヴィンテージ楽器も資産としての価値を高めている。これは、株式市場の平均上昇率よりも高いものだ。
※出所:The Economist valuables index
嗜好品投資の特徴は、自分の興味・関心がある分野のコレクションを楽しみながら、資産の形成ができ、趣味と実益を兼ねられる点である。どんなモノが「資産」として有望なのかは、同じカテゴリーのコレクション人口や、換金性の高さによっても変わってくる。言い換えると、売買の流動性を高める仕組みを作ることで、グッズの資産価値を高めることは可能だ。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
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■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.5.14
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