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  日本の企業が年間に投じている研究開発予算は約12兆円の。これまで研究開発の大半は社内で行われてきたが、これからは外部の研究者やユーザーを交えたオープン開発(オープンイノベーション)へとシフトしていくことが予測されている。
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オープンイノベーションで変わる
140兆円研究マネーの行方
JNEWS会員配信日 2014/10/31

 新製品の開発に費やす期間は、各メーカーによっても異なるが、自動車でも外観デザインの決定から量産開始までが24ヶ月程度で行われている。1990年代には30〜40ヶ月をかけていたが、利用する技術や部品の共有化などにより、開発期間は次第に短くなっている。

家電、精密機器、ITなどの業界でも、技術革新のスピードが速くなるほど、短いサイクルで新製品を投入していく必要があり、自社内で技術開発をしていたのでは間に合わないことから、関連の会社を買収するような、手っ取り早い方法も広がっている。

しかしその弊害として、基礎からの研究開発が手薄になっていることは、統計からも裏付けられている。

日本の科学技術に関する研究開発費は、年間で約17兆円、その7割が企業、3割が大学や公的機関によるものだが、景気低迷の影響もあって、2007年をピークとして、研究予算はジリジリと切り下げられているのだ。

一方、世界の研究開発費総額は、10年間で2倍近くに伸びていることから、このままでは、日本の技術力が、中国に追い抜かれてしまう懸念もある。そこで、研究開発の方法を抜本的に変革していこうとする動きもある。





研究開発資金の中で、最もウエイトが高いのは「人件費」であり、優秀な研究者をできるだけ多く集めることが、新技術の発明に繋がる。しかし、企業が大量の研究者を雇い続けることは難しく、外部の人材を上手に活用して研究開発を進めていこうとする取り組みが、世界の各所で起こり始めている。

日本では、「社内で発明された技術は、個人(開発者)のものか、会社のものか」という議論が活発になっているが、これからの技術者や研究者は、所属先の枠組みを超えて、自分が目指すテーマの研究開発に取り組んでいけるようになるとみられている。


 ※出所:科学技術研究調査報告

この記事の主な項目
 ●クローズドからオープンに転換する研究開発
 ●オープン・イノベーションの仕組みについて
 ●途上国の生活を改善するオープン開発例
 ●企業向け研究プラットフォームの開発商機
 ●研究者の待遇とモチベーション向上策
 ●研究資金の調達を支援するクラウドファンディング
 ●クラウドによる新興企業の資金調達とパトロンプラットフォーム

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JNEWS LETTER 2014.10.31
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