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  個人事業者向けの融資は、貸し倒れのリスクが大きいことから、銀行以外は手の出しにくい分野だったが、小口の資金を何百件にも分散して融資するポートフォリオを組むことで、貸し手のリスクを軽減できるマイクロ金融の取引モデルが登場してきている。
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保証人制度改正で浮揚する
新たなマイクロ金融の取引モデル
JNEWS会員配信日 2013/4/5

 日本では長らく、銀行から融資を受ける時に「保証人」を付けることが慣習として続いてきた。民法の中では、保証人の責任が明記されており、貸し手は、貸し手本人が返済不能になっても、保証人に弁済を求めることができる。そのため、身内や友人から頼まれて、気軽に保証人になったところ、巨額の借金を背負ってしまったという不幸は数え切れないほどある。

中小企業に対する貸付では、経営者に加えて、その身内や知人が連帯保証人になるケースもあり、事業が失敗した時には、周囲の人達に多大な迷惑をかけることになる。

しかし、それでは保証人の負担が重すぎるということから、明治時代から120年以上続いてきた保証人制度を見直そうとする気運が高まっている。金融庁では、会社の経営にはタッチしていない第三者を保証人に付けることを求めた融資は、原則として行わないことを、新たな指針として金融機関に指導しはじめた。

これは融資制度の根幹にNGを出されたようなもので、銀行にとっては大事件である。ただし、社長本人に対しては、「経営への責任を持つべき」という理由から、今後も、会社の連帯保証人となる仕組みは変わらない見通し。それ以外の、銀行のリスク対策としては、物的担保の強化や、金利を高めに設定されることなどが検討されている。

《中小企業の連帯保証人制度》

 

もともと、銀行では「保証人と担保(不動産)を取っておけば安心」という考え方が根付いている。しかし実際には、保証人が自己破産をすれば、銀行側はそれ以上の返済を求めることはできない。また、担保の不動産についても、現金化するのには時間がかかるし、その過程でディスカウントしないと売却することは難しいため、結局は不良債権を抱え込んでしまう。

つまり、現在の銀行融資は、形骸化している保証人と担保制度の上に成り立っており、古い貸し付けの仕組みを再構築する時期に差し掛かっている。

翻って、ネットでは、不特定多数の投資家から資金を調達できる「クラウドファンディング」のプラットフォームも登場して、起業者は、事業失敗のリスクを分散して新ビジネスにチャレンジできるようになってきたが、これからの“お金の貸し借り”はどのように変化していくのだろうか?

最新のテクノロジーを駆使すれば、従来よりも、貸し手と借り手の双方にとって優れた融資システムを開発することはできるはず。米国では、融資の仕組みが多様化しており、銀行以外でも、中小企業や個人事業者に対して、融資の仲介をするベンチャー企業が多数登場してきている。彼らの発想や仕組みが、どのようなものなのかを解説しながら、新たなスモール金融ビジネスの正体を捉えてみたい。


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この記事の核となる項目
 ●投資家と借り手の直接取引へ向かうマイクロ金融
 ●貸し手(投資家)と借り手(事業者)を仲介する融資モデル
 ●保証人に変わる信用格付けとクレジットスコアの役割
 ●クレジットスコアをベースにしたソーシャル金融
 ●P2P融資に対するリスクヘッジの考え方
 ●所持品を担保にできる質屋の復活
 ●オンライン質屋の担保査定〜融資実行まで
 ●出世払い型のP2P型奨学金支給サイト
 ●ビッグデータ活用による事業の将来予測と販促マーケティング
 ●高騰する子ども教育費を支援するキャッシュバックサービス
 ●教育の格差社会で学生ローン化する奨学金の実態と問題点

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