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ロクマル世代が見習う
米国ベビーブーマーのライフスタイル
written in 2012/10/3

 いまや趣味・レジャー市場にとって、中高年者をターゲットにすることは欠かせない。若者の収入が減少している中で、遊ぶための資金にも余裕が出てくるのは40代からだろう。最近よく見かけるようになった中型・大型バイクのユーザーは、40代と50代以上が7割以上を占めている。

《中型・大型バイクユーザーの平均年齢推移》

 

さらに、お金と時間の両方に余裕があるのは60歳代であり、日本ではちょうど「団塊の世代」と合致している。終戦後の第一次ベビーブーム世代(1947〜1949年)が中心だが、もう少し広い捉え方で、戦後の復興期にあたる1947〜1951年に生まれた人達を、団塊世代と呼ぶこともある。その該当者は1千万人を超えて、人口分布の中で最もボリュームが厚い層である。

《年齢別の人口分布(日本)》

 

そのため、今後の国内消費を刺激するには、彼らの生活スタイルや嗜好を把握することが重要になる。ひと昔前の「60歳代」といえば、シルバー・高齢者という扱いで括られていたが、今はそのキーワードが当てはまらず、これから第二の人生を楽しもうとしている世代である。

団塊世代は、若い頃から、音楽、ファッション、レジャーなどで次々と新しい流行を生み出してきた実績があり、仕事をリタイアした後でも、これまでの60歳代とは違うライフスタイルを築こうとしている。

そんな彼らが、常に影響を受けてきたのは米国の文化であり、その意味では、米国ベビーブーマー世代のライフスタイルは、日本にとっても指針となるものだ。日米ともに、第二次世界大戦の終結により、出生数が上昇したのは同じだが日本のベビービームが数年で落ち着いたのに対して、米国では18年間にわたり続いた。そのため、米国のベビーブーマー世代というと、1946年〜1964年生まれ(現66歳から48歳)の約7800万人が該当する。

この人達が、これから目指そうとする生活、余暇の過ごし方、働き方などは、日本の団塊世代のみならず、40代、50代にも影響を与えることは間違いなく、企業にとっても、彼らに新製品や新サービスを投入するためのヒントは多数見つけられる。そこで今回は、米国ベビーブーマー世代の中に起きている、ライフスタイルの変化を詳しく見ていくことにしよう。

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この記事の核となる項目
 ●戦後の豊かさを経験したベビーブーマー世代の実像
 ●日米に共通した60歳世代の家族内における役割
 ●100万ドルを目指すリタイアまでの資産形成
 ●二極分化する米国世帯の保有資産について
 ●ベビーブーマー世代の新ワークスタイルと新人材ビジネス
 ●「ブーマープレナー」としての成功者達
 ●ロクマル世代を狙う旅行・アウトドア業界の視点
 ●特別なパーソナルサービスへの潜在ニーズ
 ●米国シニアが起業するスモールビジネスの仕組みと仲介業者
 ●少子高齢化で求められるワークスタイル改革の切迫した事情
 ●団塊オヤジはなぜハーレーダビッドソンに夢中になるのか?
 ●欧米の富裕家族から学ぶ家事代行サービスの種類と活用方法
 ●大人が充実して遊べる趣味市場に向けた商機の掘り起こし方
 ●若年の起業とは異なるシニア起業の事業モデルと収益プラン


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