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  信頼できる口コミの伝達手段として「キャッシュモブ」という手法が流行り始めている。SNSで募集した仲間達と地域の店舗を集団で訪れて、一人20ドルの買い物をして、その感想を語り合うイベントが各所で開催されている。
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リアルな口コミ集団、キャッシュモブによる
人気店の作り方
JNEWS会員配信日 2012/4/25

 週末の飲み会やデートでレストランを予約したいのだけど、どの店が良いだろうか?そんな時に、最近はネットの口コミを頼りにすることが主流になってきている。日本の代表的なグルメ口コミサイト「食べログ」の利用実績をみると、2012年3月の利用者数は3,508万人(前年比59.2%)、7億8,530万ページビュー(前年比125%増)と大きく伸びている。

その理由としては、PCユーザーに加えて、新たなユーザー層が、近隣のグルメ情報を求めてアクセスするようになってきた様子がうかがえる。昨年からのアクセス増は、スマートフォンの普及によるものと分析できる。

《食べログの利用者数推移》

  

こうした状況に伴って、飲食店側でもネットの口コミを意識しなくてはいけないようになってきた。消費者は、飲食店が掲載する広告よりも、実際に来店した人の口コミを信用する傾向が強いため、ネットで自店がどんな評判なのかは、気にする必要がある。それならばと、店側で意図的な口コミを投稿する“やらせ”があるのも事実で、店主が自ら好意的な口コミを書き込んでいたり、それを代行する業者の存在も問題視されている。

こうした“やらせ”の実態はグルメに限らず、美容室、エステ、保育園、病院などの口コミにも及んでおり、あるネット副業サイトでは、代行業者からの依頼により、1件あたり数百円の単価で投稿者の募集をしている。

消費者にしてみると、純粋にその店や施設の利用者からの投稿と信じていた評価が、じつは、報酬を貰っている副業者によるものというのは裏切り行為であるし、誰もが無料で自由に書き込めるようにサービスを提供している口コミサイト自体も被害者の立場といえるが、今後は不正な投稿を防ぐための仕組みやルールを整備していく必要がある。

米国でも、買い物をする時に口コミやレビューを参考にする人は多いが、その情報がどこまで信憑性があるのかは疑わしい、という風潮が高まってきた。その背後には、報酬と引き換えに、高評価のレビューを書く仕事や、SNSやコミュニティサイトへの「口コミ対策」を専門に行うPR会社が存在していることがある。

そのため、消費者の立場から、もっと信頼ができる口コミを流行らせることを目的とした「キャッシュ・モブ」という仕組みが考案されて、全米に広がりつつある。これは、単にネットに店のレビューを書き込むだけではなくて、実際に「気になる店」へ集団で行くイベントを開催して、そこで得たリアルな感想を、参加者が自分のツイッターやフェイスブックへ書き込むもの。それが具体的にどんな形で行われているのかを解説しながら、「人気店」の新たな作り方を考えていきたい。※映像は、米オレゴン州のポートランド市で、地域の書店を会場に行われたキャッシュモブの様子。



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この記事の核となる項目
 ●口コミ対策ビジネスとフェイクレビュー氾濫の実態
 ●書籍出版業界におけるフェイク・レビューの依頼ルート
 ●新たな口コミ集団、キャッシュ・モブとは何か?
 ●キャッシュ・モブによるリアルな口コミの流れ
 ●キャッシュ・モブによるローカル店舗の再生モデル
 ●キャッシュ・モブによる店舗への集客ルート
 ●雑誌出版社が着目するランキングビジネス
 ●求人活動と連携した「働きやすい会社ランキング」のカラクリ
 ●「働きやすい会社ランキング」の背後にいる仕掛け人
 ●信用と知名度を高めるランキング媒体の台頭
 ●名医リスト作成を手掛けるビジネスの仕組み
 ●都市−田舎の格差を埋めるルーラルビジネスへのマネー環流
 ●星を売る商売、格付け会社のビジネスモデルと収益構造


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