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シングルタスクからマルチタスクへ 変わる時間管理と働き方 |
written in 2009/12/8
「8760時間」というと長く感じるが、これは 24時間×365日、つまり1年間の時間数を表している。その中で我々は、仕事、家事、子育て、それに趣味や友達との交流などに時間を使い分けている。最近とみに“忙しい”と言う人が増えたのは、会社の人員削減で、これまで10人で担当していた仕事を8人でもできるように効率化を求められたり、会社以外でも様々な用事や人付き合いをしなくてはいけないためだが、それらに費やす時間の振り分け方は、非常にややこしい時代になっている。
会社で働く時間数だけでみれば、土曜日も出勤していた昭和40年代には 2,300時間/年であったのが、現在では 1,850時間にまで減少しているが、その分だけ1時間あたりの仕事量(労働密度)は増えているし、労働時間に含まれない仕事も多くなっている。“忙しさ”という点では、昔よりも今のほうがハードな毎日だろう。
《年間の総労働時間数》
そのため現代人にとって、スケジュールの管理は欠かせない。年末になれば、書店や文房具店に来年の手帳がずらりと並ぶが、その販売部数はトータルで1億冊にもなるという。それでも理想の手帳を探すことは意外と難しく、何種類も新しいタイプの手帳を試している人は少なくない。では、従来のスケジュール管理は、現代人の行動と何が合わないのか?
ほとんどの手帳は、同じ時間に一つの予定しか登録することができない。同じ時間に違う場所で二人の人と会う約束をするダブルブッキングはNGだが、同時進行で複数の用件を済ませたいことはよくある。超多忙な経営者であれば、テレビ会議システムにより、二ヶ所の支店で行なわれている会議に同時参加して、別々の指示を出すことは可能だ。
経営者でなくても、共働き世帯では、仕事中に家庭の用事をどうしてもしなくてはいけないこともあるし、副業のつもりで行なっている株式投資の値動きをチェックして、その時に売買注文を出さないと大きな損になることもある。さらに個人で運営しているブログサイトのことや、友達からケータイに入ったメールの返信など、我々が同じ時間帯にやりたいことや考えることは、山のように増えている。
これは現代人が、一度に一つの仕事しかしない“シングルタスク”から、複数の仕事を同時にフォローする“マルチタスク”型に変化していることを示している。
会社の職務規程では、勤務時間中は社内の業務だけに専念すること(シングルタスク)が決められていても、ネットやケータイから簡単に外部にアクセスできるようになってしまえば、身体だけでなく頭の中までを、会社が完全に拘束することはできない。それなら逆に「仕事と家事のマルチタスクはOK」というように条件付きで認めてしまったほうが、社員のモチベーションは向上するという考え方もある。
本来、人間の脳はマルチタスクで物事を考える仕様になっているため、それが自然な形とも言えるが、現実的に同じ時間に二つ以上の仕事を行なうことは不可能であった。しかし最近では、情報の収集や管理の方法に加えて、各種の作業や取引が電子的に行なえるようになったことから、頭脳労働が主体であればマルチタスク型のワークスタイルを実現することもできる。それを可能にするのが、“バーチャルロボット”と呼ばれる、自動化プログラムの存在である。
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●時間軸に集約されたツイッター活用のマルチタスク
●職場で子どもの行動を把握するマルチタスクの方法
●ロボットによって実行されるオンライン副業の実態と可能性
●ロボットによる副業ビジネスの攻防
●ロボットによるオンラインゲームの副業モデル
●無人化したアフィリエイトサイトの運用例
●人に代わって24時間働くバーチャルロボットのビジネスモデル
●オンラインで働くネットワークロボットの分類
●人の代わりバーチャルロボットをレンタルする発想
●バーチャルロボットの頭脳を売るビジネス
●FX自動売買ロボットのビジネスモデル
●医療・介護ビジネスの赤字を解決するオートメーション革命
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●進化するロボット技術で人件費を軽減させる介護ビジネス
JNEWS LETTER 2009.12.8
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