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  日本のダイエット法のは「何を食べるか(食べてはいけない か)」ばかりに目が向けられているが、米国では食事と適度な運動による摂取カロリーと消費カロリーを徹底的に管理することが主流になりつつある。毎日の食事と運動の記録を日記のように付けて、カロリー管理できるオンラインサービスが100万人超の有料会員を獲得している。
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ビリーズブートキャンプより先を行く
米国ダイエット市場
written in 2007/7/20

 先頃テレビで話題となったダイエットビデオの「ビリーズブートキャンプ」はネット通販でも売れ筋商品の筆頭に上がり、社会現象にまでなっているほどだが、この状況はDVD業界と健康業界の中で2つの側面から“新しい兆候”として注目されている。一つは、これまで映画や音楽ソフトが主力であったDVD販売の中でダイエットプログラムという新たな人気分野が登場してきたこと、もう一つは、健康ビジネスの中で“食品”や“機器”などのモノを扱うのではなく、「ダイエットの方法(ノウハウ)」そのものがヒット商品として成り立つことを証明したことである。

「メタボリックシンドローム」という言葉が一般に知られるようになって以降、日本でも該当者と予備軍の数は約2千万人で、その市場規模は7兆円を超えるといわれる。これは通販市場(5兆円)を超える巨大な潜在市場として各方面から注目されている。もちろん市場予測には誤差が付きものだが、成人の男女が健康管理のために費やしてもよいと考える予算は毎月2万円前後と言われており、その中でサプリメントを購入したり、ジムに通ったりと、自分が“健康に良いだろう”と思うことをいろいろと試しているような状況である。

ところが健康管理の本質は、次々と新しい健康食品を試したり、自分の体を無理にイジメルこととは違う。そもそも「食べて痩せる」というのはおかしなことであるし、自分の体力に合わない無理な運動をして逆に足や腰を痛めてしまう人が最近では増えているという。毎日通い続けることを決意して入会するスポーツクラブにしても、実際に通っているのは年間で約50回(月に4回)というのが平均値で、しかも会員としての在籍期間は2〜3年と短い。仕事の都合でとても毎日は通えないし、転勤などによって会員で居続けることも難しいというのが理由らしい。しかしダイエットの目的を果たすのであれば、その程度の運動ではとても足りない。一日あたりの運動量は少なくても構わないので、毎日飽きずに続けられるトレーニング法を見つけることが大切だろう。

ビリーズブートキャンプは自宅のわずかなスペースで毎日できるエキササイズとしてヒットしたが、本家の米国ではそれすらもう古いということで、オンラインを通じて継続的なサポートをしてもらえるダイエットプログラムが主流になりつつある。これは何か健康グッズのようなモノを買って運動することよりも、自分のダイエットの記録管理をすることが主なサービス内容になっている。そんなことなら自分のパソコンで自己管理できるではないかとも思えるが、そこに信頼できるコーチや多くの仲間がいて励まし合える環境があることは大きな支えとなっている。そしてダイエットに見事成功した人は、同じダイエット仲間から“カリスマ”と尊敬されていて、ダイエットコーチとしての職を得られるという新たな業界構造が出来上がっている。さらにダイエット用のトレーニングデータを音楽データのようにオンライン販売できる仕組みも登場して、ダイエットトレーナーに新たな収入の道をもたらしている。その動向を追いかけてみよう。
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この記事の核となる項目
 ●日本の十年先を行く米国のダイエットビジネス
 ●100万会員を超すオンラインダイエットサイトの事業モデル
 ●コミュニティが支えるオンラインダイエットプログラム
 ●各ダイエットサービスにみる“励まし合い”の工夫
 ●無料コミュニティとダイエットユーザーの価値
 ●パーソナルトレーナーが主役のダイエットプログラム販売
 ●ダイエットの家庭教師、パーソナルトレーナーの活躍
 ●ダイエットプログラムのダウンロードビジネス
 ●常識はずれの広告宣伝費を投下できる健康食品サイトの採算構造
 ●食品成分の電子化で浮上するパーソナル栄養士サービス


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