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  定期購買型のサブスクリプションビジネスでは、顧客生涯価値(LTV)を高められるようにサービス体系や料金プランが設定されている。
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サブスクリプションビジネスによる
顧客生涯価値(LTV)の高め方
JNEWS会員配信日 2013/8/30

 多額の広告費をかけて新製品をPRしているメーカーにとって、既に定期購買客を獲得しているサブスクリプションショップとの提携には魅力がある。そのネットワークの中で、試供品を配布してもらえば、広告よりも効果的に新製品の特徴を知ってもらうことができるためだ。

「Birchbox」は、米ニューヨークで2010年に立ち上げられた、化粧品、スキンケア用品などの定期購買サイトで、現在では40万人以上の有料会員を獲得している。女性会員は月額10ドル、男性会員は月額20ドルの会費を払うことにより、各メーカーの新製品などが詰め合わされたボックスが、自宅に毎月届くようになる。

会員数を伸ばしている理由は、毎月支払う会費よりも、お得な内容のボックスが届くためだが、その中にはメーカーから提供される、発売前の試供品や新製品が多く含まれており、商品のカテゴリーは、化粧品、ヘアケア用品、ネイル用品、香水、ヘルス用品、アパレル、食品、雑貨などへと広がっている。

新製品のPR方法として、試供品を無料で配布するキャンペーンは以前から各所で行われてきたが、Birchboxは有料の定期購買ネットワークであることから、「タダで貰えるなら欲しい」という消費者よりも、優良な顧客ターゲットになり、提携希望のメーカーが増えてくる。すると、毎月発送するボックスの内容も充実するため、さらに有料会員が増えるという好循環が生じてくる。

Birchboxは、定期購買のボックスを送付するだけでなく、その中の試供品を使って気に入れば、フルサイズの正式な製品をオンライン購入できる道筋まで作っている。それにより、試供品を提供するメーカーでは、正規注文率をデータ収集することができ、新製品として正式発売するか、取り止めるか、の判断材料にもなる。

■Birchbox
  http://www.birchbox.com/

《定期購買ネットワークを活用したテストマーケティング例》

 

 小売業者や卸業者に頼らなくとも、メーカーが、消費者向けに定期購買サービスを直接立ち上げようとする動きもある。統計的にみても、定期購入の申込みをする消費者の顧客生涯価値は高くて、彼らとの関係をダイレクトに築いておきたいとメーカー側では考えている。

世界的にヒットした「Rogaine(ロゲイン)」という育毛剤の発売元、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)傘下のMcNEIL(マクニール社)では、同育毛剤の公式サイト内で、月額17ドルでロゲインが定期購入できるプログラム「Real Results Program」を実施している。4ヶ月に1回のサイクルで、その期間に使用する分の商品が自宅に自動配送される。

育毛剤の効果を実感するまでには、長期間使用しなくてはいけないが、同プログラムを利用すれば、ドラッグストアなどの店頭でリピート購入するのと比べて50%の節約効果がある。4ヶ月で約60ドル、1年間では約240ドルの節約だ。

また、定期購入者の“育毛”に対するモチベーションを維持させるため、ロゲインを毎日使うことで、頭髪がどのように変化しているのかを、写真日記として記録していけるiPhoneアプリも提供している。


この記事の核となる項目
 ●優良客を取り込むアマゾンのサブスクリプション戦略
 ●出版社に向けた電子書籍のサブスクリプション機能
 ●印刷版と電子版をセットにした雑誌の定期購読モデル
 ●使い捨てカミソリのサブスクリプション販売
 ●多様なコーヒーやお茶を試飲できる定期購買モデル
 ●試供品配布を応用したサブスクリプションコマース
 ●定期購買ネットワークを活用したテストマーケティング
 ●定期購買によるメーカー直販型eコマースの仕組み
 ●eコマース市場の新勢力・ソーシャルコマースの主役と取引形態
 ●電子出版で変わる消費者の購買スタイルと広告マーケティング
 ●福袋が進化したラッキーバックによるソーシャルショッピング
 ●ニッチ市場の開拓とモバイルで攻める現代版の行商ビジネス
 ●先用後利の置き薬商法が進化した在庫補充サービスの商機


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