JNEWS会員配信日 2013/8/22
eコマースならば、どんな国の消費者からも注文を受けることができる。ただしネックとなるのは、国によって代金決済や商品配送のインフラが整っていないことである。
アジアを中心とした新興国の購買力は高まっているものの、クレジットカードの保有者は、一部の富裕層に限られており、インドやASEAN諸国のカード保有率は、労働人口に対して1割前後という状況。
米国に次いで購買力が大きな中国では、35億枚のカードが発行されているが、その9割以上は「銀聯(ぎんれん)カード」という中国固有のデビットカードであり、日本、米国、欧州とは決済システムが異なっている。
宅配便についても、日本のように注文から2〜3日で確実に配送される国は少数であり、それと同様に、他国での通販事業を考えることはできない。そうした事情を踏まえると、eコマースの物販が円滑、安全にできる国は限られており、スモール事業者の進出先は絞られてくる。
それをリサーチした上で、現地の決済システムや物流体制を独自に整えるのも、負担が大きすぎるため、もっと簡便な方法を考える必要がある。そこで活用できるのが、アマゾンのフルフィルメント・サービスである。
世界の主要国に進出しているアマゾンには、中小業者や個人でも出品販売ができる「Amazonマーケットプレイス」があり、その中には、アマゾンの配送センターに商品在庫を委託しておき、マーケットプレイスに注文が入った後の作業(決済、梱包〜配送)を代行してもらえる「フルフィルメント
by Amazon(FBA)」が用意されている。
韓国のアパレルメーカーでは、このFBAプログラムを利用して、2011年から米国でのネット通販事業を展開して、現在では、1日に4〜5万ドルの売上がある。同社では、韓国または中国の倉庫にある商品を、米アマゾンの配送センターへ大量に一括送付することで、輸送コストを抑えて、米国内の注文者には送料無料で商品を発送している。
仮に、韓国の配送拠点から、米国の注文者に個別の配送をすると、顧客は商品代金+18ドルの国際送料を負担しなくてはならず、商品の到着も1週間程度かかってしまう。しかし、アマゾンのフルフィルメントサービス(FBA)を使えば、顧客一人あたりの実質的な配送コストを10ドル以内に抑えて、注文から2〜3日以内に商品を届けることができる。
《アマゾンFBAを活用した国際eコマースの仕組み》
アマゾンは世界の主要国(米国、日本、欧州など)でフルフィルメントサービスを行っているため、これを使えば、中小の業者でも自国に居ながら、世界の消費者へ商品を販売することが可能になる。
●ソーシャルブランド構築でグローバル展開する化粧品会社
●中小メーカーの海外へのeコマース展開モデル
●アマゾンに便乗した海外進出の発想
●アマゾンFBAを活用した国際eコマースの仕組み
●日本からの米クラウドファンディング参入モデル
●米国市場を起点としてヒット商品を生み出す方法
●グローバル事業の裏方を支えるオンライン人材
●アジア・オセアニア主要都市の中堅エンジニア平均月収
●移民の里帰り起業に便乗するFC企業の海外進出
●世界公用語として広がりはじめる英語商圏とフリー英会話
●新興国のエリート人材が鍵を握る今後の国際ビジネス動向
JNEWS
LETTER 2013.8.22
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