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  レンタルコミックサービスは書籍の貸与権が正式に認められたことにより、これまでは水面下でしか行えなかったものが、合法的に行えるようになった。本のレンタル粗利益は安いため、その採算性は書店やビデオレンタルよりも高いのが特徴。
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書店よりも儲かるレンタルコミックサービスの
採算性と問題点
written in 2006/4/1

 ビデオのレンタルサービスは日常生活の一部となって久しく、料金も一本あたり百円程度にまで下がってきている。ビデオソフトが初めて登場した当時は一本1万円以上で販売されていたことを思うと隔世の感もあるが、ビデオの普及にレンタルサービスが果たした役割は大きい。現在のビデオレンタルは貸レコード業から進化したものだが、さらに歴史をさかのぼると、まだ本がとても高価な時代だった頃の「貸本業」が元祖といえるものだ。

本が“商品”として登場したのは江戸時代で、草創期のビデオソフトに似てやはり高価なものだったといわれている。そこで、本という新商品を大衆に知らしめるために貸本屋という商売が始められた。当時は今のレンタル店のような店舗を持たず、置き薬商法に似たスタイルで、行商人が各家庭を廻って一定期間、本を置いてもらい、回収する時に代金を徴収したという。貸し回して元(仕入原価)を取った本は、貸本業者間で売りさばくなどして再流通させていた。現在のレンタルビデオ店や中古本屋の仕組みが、この頃すでに成り立っていたというわけだ。こうして書籍が商品として庶民に広く知られるようになったことで単価が下がってゆき、やがて本の小売業が成り立つようになったと言われている。

その後、日本では第二次大戦前頃まで貸本屋を利用する人が多く、どの町にも必ずあってよく利用したという年配者は多い。しかし戦後になると公立の図書館が各市町村に普及したことから、貸本屋は次第に姿を消していったが、図書館が扱っていないマンガ本を専門とした貸本屋だけは地道に生き延びていた。そして最近では、時間あたりの利用料金を払えば好きなだけマンガが読める「マンガ喫茶」が人気となっているのは周知の通りだ。

マンガ喫茶は“有料のマンガ図書館”とも言えるものだが、ブームの動向を捉えて新規の開業希望者が増えている。開店には数千万円規模の初期投資がかかるものの、固定客が付けば売上は安定して従来の書店経営よりも採算性は高い。マンガに限らず「本を買うのではなく借りて読みたい」という消費者側のニーズが高まっていることは間違いないが、そこには商機と落とし穴の両方が潜んでいる。
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この記事の核となる項目
 ●レンタルコミックに注目する書籍販売業界
 ●個人でも開業できるレンタルコミックサービスの実態
 ●レンタルコミックサービスの仕組みと流れ
 ●貸本業の台頭で浮上する貸与権問題
 ●公立図書館にまで波及する著作権問題
 ●ブックレンタルサービスに対する法規制の動き
 ●公立図書館を飲み込む、図書館流通の裏側
 ●図書館情報システムと書籍納入ルートの深い関係
 ●著作権問題をクリアーにした電子図書館サービスへの着目
 ●電子書籍卸業者の仕組み
 ●知的な時空間を提供する有料図書館のコンセプト
 ●豪華ホテルを図書館にしたライブラリーホテル
 ●学術分野から火が付き始めた電子図書館サービスの収益構造
 ●モノ売りから時間売りへの転換〜時間消費型サービスの視点


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