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Written in 1999.3.2
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米国EC業界の有望商品として「クスリ」が新たに加わりそうだ。「商品アイテム数が多く、消費者が独力で希望の商品を探しにくい」という視点から、書籍がオンライン販売の売れ筋としての地位を確立したが、クスリの場合にはアイテム数が多いのと同時に、各顧客に適したものを提示したりアドバイスすることがショップ側に要求される。これがオンライン販売の特性と合致するとした見方だ。
通常の消費財と異なりクスリは信頼性や安全性が重視されるために通販は向かないという意見もあるが、顧客との対応や個人情報のセキュリティに関しては実店舗販売よりもオンラインの方が優れているという意見もある。
消費者は薬局やドラッグストアー(実店舗)に出かけて、自分の症状に合ったクスリを薬剤師と相談して購入するのが一般的だが、混雑した店内で順番待ちしている客列の先頭でじっくりと症状の相談が出来ているかといえばNoである。また周りの客に自分の症状を聞かれているというのも実店舗販売の問題点だ。
もう一つの視点として医薬業界のオンライン化も注目しておくべき動向。カルテや処方箋が紙媒体からデジタル媒体へと移行すればクスリの流通経路も現行から大きく変化していく。各患者の病歴や投薬歴がICカード化された健康保険証や運転免許証に入力されて常に携帯する時代が到来すれば、インターネット経由でかかりつけ薬剤師を持ち、クスリを処方してもらうスタイルが定着するかもしれない。これら医薬品業界の動向を米国では"E-health"として注目している。
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