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音源資産を投げ売りするレコード会社と 激安CD販売のカラクリ
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written in 2003.6.16
音楽CDの販売価格といえば2,800〜3,000円の水準が長い間維持されてきた。20年前のLPレコードが 2,500円程度だったことを考えれば、実質的な「音楽の価格」は下落しているが、昨今の音楽マーケットの縮小傾向によって、CDの販売価格にはさらなる異変が起こっている。
昨年頃から相次いで発売されているのが「コンピレーションアルバム」という複数のアーティストのヒット曲をセレクトしたベスト版のCDである。昔懐かしい時代の名曲が1枚のCDに凝縮されてお買い得感があるため、往年の音楽ファンからはまずまずの人気だ。
レコード会社にしてみれば、過去に収録した音源をセレクトして新たにCD化すればよいため、コンピレーションアルバムの制作原価は極めて低く、ヒットすればかなりうま味のある商売になる。ところが複数のアーティストの楽曲を組み合わせることは、各楽曲の原盤著作権を持つレコード会社間の調整が難しく、これまでは実現させることがなかなか難しかった。
しかし音楽業界全体が不況に陥っている中、“背に腹は代えられない”というわけで、各レコード会社では著作権を有償で許諾することには肝要になりはじめている。また世界的な音楽業界の再編もコンピレーションアルバムが増える一因となっている。米国ではメジャーと呼ばれるレコード会社がソニー、EMI、BMG、ワーナー、ユニバーサルの5社に絞り込まれているし、日本の古くからあるレコード会社にもほとんど外資が入っている状況。企業合併や吸収によって投下された資本を回収するためには、各レコード会社が保有する過去の原盤資産を“復刻”させて利益を生み出そうと考える。
しかし「音楽」は本来、付加価値の高さに魅力を感じる商品であり、そこに“安売り”“お買い得”の要素を加えてしまうと、正規価格のCDが売れなくなってしまう懸念がある。コンピレーションアルバム以外でも、最近では以下のような方法で廉価版のCDが市場に出回りはじめている。
●アジア諸国からの逆輸入される激安CD販売の仕組み
●国内人気アーティスト逆輸入CD販売の流れ
●100円ショップで販売される音楽CDのカラクリ
●国内音楽業界の構造と音楽流通の仕組み
●音楽著作権にみるライセンス管理ビジネスの仕組みとチャンス
JNEWS LETTER 2003.6.16
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