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地方銀行の再編に備えた経営術と
無店舗・無在庫で起業する工夫
written in 2004/1/12

 昨年末に足利銀行が債務超過に陥ったことにより一時国有化されることが決まったが、これは地方銀行の整理統合がはじまることの前兆として銀行業界では恐れられている。これまでにも都市銀行が整理されることで大企業がバタバタと倒産へと追いやられたが、いよいよ地方銀行にもその手が伸びている。欧米と比較すると日本の銀行は数が多すぎる「オーバーバンキング」の状態にあるため、業界内の垣根や地域間の棲み分けは崩れ、都銀、地銀、信金などが同じ商圏で顧客を奪い合う構図が各行の経営体力を悪化させている。この業界地図を再編しないことには「健全な金融システム」を作ることは難しいと言われている。

しかしそこで不利益を被るのが中小企業経営者である。預金者の立場では「預金は全額保証される」と国が約束しても、銀行から資金を調達していた中小企業に対しては、その後の融資がストップしてしまうことが少なくない。足利銀行の場合には、栃木県の中小企業が最も信頼していた銀行が倒れたことになるため、同行からの融資に依存した資金繰りをしていた企業はいま危機的な状況に追い込まれている。

この状況は他県の経営者にとっても“対岸の火事”ではなく、いつ自社が同じ立場になっても不思議ではない。予測できる将来の状況を回避するためには金融機関からの借入れ依存率を抑えて、なるべく早く無借金経営を実現させるしかない。といっても、これまで何十年にもわたって借入に依存してきた中小企業には、商売の仕組みを根本から変革するくらいの努力がないと、“無借金経営”を実現することはなかなか難しい。

一方、これから新規で独立開業しようとする人の場合にはまだ救いがある。ゼロからのスタートであれば、残債による返済や金利の負担もないし、増えすぎた従業員の給料を払うための資金繰りに悩むこともないため、柔軟な形で新しい事業に取り組んでいくことができる。社会の仕組みが変化しているときこそ、ゼロからのスタート組にはチャンスがあるものだ。


この記事の核となる項目
 ●無借金経営を実現するわかりやすい方法
 ●中古車販売業にみる無資本の起業スタイル
 ●無在庫・予約型へと変貌する中古車販売業界の構造と動向
 ●起業後の資金繰りが悪化するシナリオ
 ●商店・自営業者における運転資金の仕組みと算出方法


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JNEWS LETTER 2004.1.12
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