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固定客維持を目的とした
金券発行のカラクリと負担コスト
written in 2002.5.12

 苦労して獲得した新規顧客を、次回からも利用してくれる固定客へと定着させる手法の開拓は、商売の急所ともいえる。小売業界では平均して、売上高に対して約1%の広告宣伝費を使うが、これは主に新規顧客を呼び集めることを目的としたものだ。

繁盛している店は、必ずといってよいほど(新規顧客→固定客)への定着率(リピート率)が高い。同じように広告宣伝をして新規顧客を獲得したとしても、リピート率が高いのと低いのとでは、その後に形成される顧客ネットワークの大きさ(総顧客数)に大きな差が生じることになる。顧客の生涯価値を長引かせることができるショップほど“儲かる店”であることは間違いない。

固定客化への具体策として割引ポイントや金券発行の独自システムを作っている店舗はよく見かける。例えば、累計の利用金額が3万円を超すと、その1割分(3千円)にあたる金券を発行する、といった仕組みだ。また新規開店時に3千円の買い物をすると、次回以降に使える金券を3千円(購入金額と同額)を発行するといった大盤振る舞いをする店さえある。

そこまで大胆な金券(割引券)発行をして採算が合うものかと、素人目には疑問に感じるものだが、発行の舞台裏では冷静な計算によって金券発行率を決定しているはずである。(漠然とおこなっている店も少なくはないが…)

じつはこの金券発行率のレートと、商材の原価率との間には重要な関係が隠れている。


この記事の核となる項目
●固定客向け金券発行と粗利益率の関係
●金券を上手に活用した経営戦略とデメリット
●会員顧客向け割引ポイントプログラムの動向と問題点
●顧客生涯価値(LTV)が教えてくれる固定客向け戦略


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JNEWS LETTER 2002.5.12
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