一人の営業または宅配スタッフを採用することで、どれだけの売上高を確保すれば人件費コストを吸収できるのかを算出する方法として下記の公式が用いられる。
┌─────────────────────────────┐
│ 営業・宅配社員の人件費+外商活動経費 │
│ ペイライン=───────────────────── │
│ 粗利益率 │
└─────────────────────────────┘
<例>
・営業社員の人件費 --------------------> 月額 25万円
・外商活動経費 ------------------------> 月額 8万円
(外商のための交通費、車両償却費、燃料費など)
・提供する商品・サービスの粗利益率 ----> 30%
25万円+8万円
◎ペイライン = ───────── = 1,100,000円
0.3
この計算式より月給25万円の営業社員が粗利益30%の商品を外商するためには、月間売上高110万円を達成することが最低売上目標であることがわかる。そのため外商販売する商品の単価が10万円であれば目標販売個数は11個、単価5万円なら22個ということになる。1日に営業できる件数には低い限界値があるために(粗利益率の低い商品 and 単価の低い商品)は営業スタッフによる外商方式では採算が合わないことが理解できる。
営業社員採用によるペイラインの算出方法がわかれば、公式内に目標としたい利益額を加えることで各営業社員の目標売上高を設定することが可能になる。
┌────────────────────────────────┐
│ 営業・宅配社員の人件費+外商活動経費+目標利益額 │
│目標売上額=──────────────────────────│
│ 粗利益率 │
└────────────────────────────────┘
例えば各営業社員の月給と同額程度の利益を会社側が期待したとすれば下記のような売上目標値が設定されることになる。
・営業社員の人件費 --------------------> 月額 25万円
・外商活動経費 ------------------------> 月額 8万円
・提供する商品・サービスの粗利益率 ----> 30%
・目標利益額(月給と同額として) ------> 25万円
25万円+8万円+25万円
◎目標売上額=─────────────=2,033,333円
0.3
企業経営の中で最もコストが高いのは人件費であることは間違いない。その中でも営業社員の大量採用は売上を拡大する上では避けては通れないと考えている企業は多い。しかし各社員の実績が簡単にパソコンで管理できる現代では、不採算社員を毎月検索することも何ら難しいことではない。各営業社員としては自らの営業実績と給与水準とを比較して会社にどの程度、貢献できているのかを常に把握しておくことがリストラされないための対策として重要になるのだろう。