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1分あたり人件費から導く
無形サービスの適正料金
written in 1999.7.5

 商売の現場では「貧乏暇なし」という言葉をよく耳にする。やるべき仕事はたくさんあるけれど、それが売上や利益に結びついていない状態を表す言葉だ。『不景気な時代だから忙しいだけでも有り難い』という楽観論も聞こえてくるものの、経営者としては売上高、利益率、経費のバランスを検討して「忙しさ」に見合うだけの利益を稼ぎ出す努力をすることが大切だ。

 「忙しさ」とは経営者や従業員が働いている状態を表し、これはすべて人件費に換算することが可能だ。特にサービス業では顧客に対してサービスをする時間が長くても、それが契約や売上に直結しないケースも多いが、サービスをコストに換算することで「非効率なサービス」や「改善すべきサービス方法」が見えてくるようになる。


サービス原価がわかる1分あたり人件費

 商売の利益率を大きく左右する人件費を1分単位に換算してみることで、従業員が顧客に提供するサービスの原価を割り出すことができる。

 例えば時給750円で働いているアルバイトスタッフなら1分毎の人件費は12..5円(750円÷60分)となる。このスタッフが1件あたりの接客に平均3分を費やしているなら、顧客一人あたりのサービス原価は37.5円、平均5分を費やしているなら62.5円となり、同じ売上でも利益では25円の差が生じる。

 これは大変些細な数字に思えるが、些細なコストの積み重ねが店全体の利益に深く影響してくるもの。最近のコンビニでは宅配便の取次を行っているが、この受付1件に関わる時間が5分間なのか3分間なのかで宅配便取次手数料の利益率は大きく異なるため、本部では宅配便伝票を少しでも短時間で処理できるマニュアルを作成している。

 アルバイトに限らず、各従業員の1分あたり人件費を算出してみることで「この仕事を誰に担当させるか」を決める有効な判断材料となるのだ。

  ◎時給 750円のアルバイト --------->1分あたり人件費=12.5円/分
  ◎時給 1,000円のアルバイト ------->1分あたり人件費=16.7円/分
  ◎時給 1,300円のアルバイト ------->1分あたり人件費=21.6円/分
  ◎年収 300万円の正社員 ----------->1分あたり人件費=23.6円/分
  ◎年収 500万円の正社員 ----------->1分あたり人件費=39.5円/分
  ◎年収 800万円の正社員 ----------->1分あたり人件費=63.1円/分
  ◎年収1,000万円の正社員 ---------->1分あたり人件費=78.9円/分
  ◎年収1,500万円の正社員 ---------->1分あたり人件費=118.3円/分

  ※正社員の1分あたり人件費=年収金額÷(年間労働時間×60分)


インターネット業界への応用

 「1分あたり人件費」の考え方はネットビジネスの現場でも効果を発揮する。

 オンラインショップの業務において手間がかかるのは注文を受けた後の「商品梱包〜発送準備」の部分だが、この工程に年収 500万円の正社員が1件あたり15分かけるのであれば作業の原価コストは 592.5円(39.5円×15分)となる。これが客単価 5,000円のショップなら粗利益の10%以上に相当する明らかなオーバーコストだ。作業時間の短縮化やアルバイトスタッフへの担当者交代を検討すべきだろう。

 顧客からのメール対応にしてもコスト換算してみると改善点が浮き彫りになる。年収 500万円の正社員が1通あたり3分のペースで返信処理する場合には、1通あたりの返信原価は118.5円(39.5円×3分)となり郵便DM1通分の送付コストと同水準だ。返信文書のデータベース化などをすすめて1通あたりの返信時間を短縮化することが利益率向上に貢献するはずだ。ただし、作業時間の短縮化によりサービスの質を低下させることは避けるべきだろう。

<無形商品の料金設定方法>

 クライアント企業に対するコンサルティング業務のように「形のない商品」では料金設定が難しく、特に日本では「コンサルは無料サービスの一部」と受け取られがちだが、人件費を原価として料金設定するとわかりやすい。

 年収 800万円の社員がクライアント企業に対してネットビジネスのコンサルティングをする場合、コンサル業務の負担時間が月10時間(2時間の訪問指導+調査、資料作成時間)なら人件費原価は 37,860円(63.1円×600分)となる。この原価にノウハウ指導料や利益を上乗せしていくわけだが、業界の「売上高対人件費率」が30%付近であることを考慮すれば126,200円(37,860円÷0.3)というのが標準的な料金体系になる。

 この様に仕事単位の人件費原価を算出して、売上高対人件費率の業界指標を活用すれば、無形商品でも大きく矛盾しない料金設定をすることができる。


■JNEWS LETTER関連情報
JNEWS LETTER 98.12.21
<給料の3倍が基準・従業員が稼ぐべき目標売上額の仕組み>
https://www.jnews.com/mem/back/1998/199812/j981221.html
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年7月5日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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