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NPO(民間非営利組織)としての
起業スタイルの可能性
written in 1999.6.19

 新しい事業の立ち上げ方としてNPO(民間非営利組織)という選択肢がある。日本では98年3月に特定非営利活動促進法(NPO法)が制定され、民間非営利団体の法人格が取得しやすくなっている。

 ボランティア団体の延長線上にNPOは位置するが、いずれも利益を追求しない非営利の活動組織であることに違いはない。しかしボランティアは参加者全員が無報酬で協力している反面、誰もが本業として関われない活動であるのに対して、NPOは継続的な責任ある活動を重視するために「収入源」を明確にして、専業の有給スタッフが運営にあたっている点で大きく異なる。

 米国では既に40万以上のNPO組織が存在し、その中で働く有給スタッフの数は米国勤労者総数の約8%程度を占めていると言われている。日本でも高齢化問題、環境問題などのいわゆる静脈産業の重要性が叫ばれる中でNPOが活躍すべきステージは数多く隠れている。この分野への参入は営利追求型の民間企業よりもNPO組織の方が事業を軌道に乗せやすい面も多く、今後の経済の中で「NPO=成長産業」と注目している人達も多い。


NPOのメリット

 今までに日本国内で知られている非営利法人としては「財団法人」「社団法人」「学校法人」「社会福祉法人」「医療法人」などがあり、これらが税制面を中心として明確な恩恵を受けていることは周知の事実。NPOも同様に非営利法人として受けられるメリットは大きい。

<信用と契約>

 まず、法人組織として活動できることで社会的信用度が高まり、企業や地方公共団体との契約も交わせる。特に行政では外部の企業や団体に業務委託することにより社会貢献度の高い活動を展開しているが、それらの仕事は民間企業よりもNPOの方が受託しやすい傾向が高まっている。

<収入源と税制優遇>

 NPOを運営していくための人件費を含めた活動資金源は多様。参加会員からの会費徴収や、サービスを提供することによる事業収入、そして民間企業からの寄付金や政府からの補助金などが主流だ。

 非営利で公共性の高いサービスを継続的に実施していくのがNPOの目的であることから「事業収入」を活動資金の基盤にしている団体は米国でも少ない。会費徴収と寄付金や補助金に頼った運営をしている傾向が強い。

 特に米国でNPOの活動が活発化している背景には「企業からの寄付金」が彼等の運営を力強く支えている状況がある。これは、NPOに対する寄付金については、その金額分が寄付した人の所得額から控除される税制特権が認められていることに理由がある。

 日本で同様の恩恵を受けられるのは「特定公益増進法人」という団体に該当する。特定公益増進法人は公共法人、公益法人の中でも「公益の増進に著しく寄与する法人」と判断された場合にのみ認められる特別な法人格。

 日本でNPOを本当の意味で事業として成立させていくためには、このレベルにまで法人格が高められる仕組み作りが不可欠となる。

※日本の特定公益増進法人認定は非常に大きな既得権となるため、不透明な部分 も多い。各省庁の天下り先として特定公益増進法人が活用されているという指 摘もある。

※財団法人として運営している大企業系列の美術館や博物館の多くは特定公益増 進法人の認定を受けている。


NPOが設立できる分野

 取り組み方次第では新しい事業形態として注目されるNPOだが、認定されるまでの道のりはNPO法設立以降は簡単になったとはいえ未だ険しい。最も重要なのはNPOの活動範囲が下記の項目に定められている点。

<NPO法によって活動が支援される分野>

  (1) 保健・医療・福祉の増進
  (2) 社会教育の推進
  (3) まちづくりの推進
  (4) 文化・芸術・スポーツの振興
  (5) 環境の保全
  (6) 災害救援
  (7) 地域安全
  (8) 人権擁護、平和の推進
  (9) 国際協力
 (10) 男女共同参画社会の形成の促進
 (11) 子どもの健全育成
 (12) 上記活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言、援助


インターネット上の団体はNPOになれるか

 解釈の問題はあるもののインターネット上のコミュニティ組織が日本国内でも正式なNPOとして認定される可能性はありそうだ。もちろん非営利組織のため「大儲け」は狙えないのだが、インターネット上で公共性の高いサービスに本業として専念したい場合の目指すべき方向性としては注目に値する。

 指針となるのが米国の状況だが、シリコンバレー地域のボランティアが中心なって活動する「スマートバレー公社」というインターネット上のNPO組織が活躍している。先端の情報インフラの開発と、その利用技術を結集することによって電子コミュニティを構築し、教育、ヘルスケア、地方自治体、企業、家庭といった広範囲で電子的なコミュニケーションを活発化させることにより、人材育成やビジネスの創出、雇用の促進などを目指している。

スマートバレー公社

 また55歳以上の高齢者を対象としたパソコンネットワーク「シニアネット」もインターネット関連NPOとして有名。インターネットのホームページ上で、医療や保健などの高齢者向けの情報を提供する一方で、全米 32州に125の支部を持ち、企業からの寄付によるパソコンを活用して全米で高齢者パソコン教室を開催するなど、高齢者のパソコン教育に力を入れている。シニアネットに関しては以前にもJNEWSで紹介しているので参照してもらいたい。

シニアネット


■JNEWS LETTER関連情報
JNEWS LETTER 98.8.26
<米国から学ぶシニアビジネス参入へのコンセプト>
https://www.jnews.com/mem/back/1998/199808/j980826.html
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年6月19日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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