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採算性を重視した
起業家の休日設定方法とは
written in 1999.6.1

 商売人はサラリーマンのように気楽には休めない。自分が休むことで顧客に迷惑がかかったり、苦労して軌道に乗せた商売を無神経な休日設定により崩してしまうことさえある。1週間に1度の休日設定でも「最も経営上のダメージが少ない曜日」を選ぶことが重要だ。

 インターネット上で商売をするベンチャー企業やオンラインショップならWebサイトや電子メールは毎日24時間稼働しているのが常識だが、曜日や時間帯によってアクセスやメールの集中度には決まった法則が存在する。しかし、それは各サイト毎に傾向が異なるために、その特徴を自分達で見極めることが大切である。

 Webサイトが安定稼働した後の3ヶ月間の傾向が「土日のアクセス数は平日の約半分」だとすれば、その後も同じ傾向が続くはず。また今年のゴールデンウィークのアクセスが平常よりも大きく落ち込んでいるのなら、恐らく来年のGWも同じ傾向を示す。

 そんな場合には、アクセスが落ち込む曜日や期間を従業員の休業日としてしまうのも一つの経営ノウハウである。これを間違えて、アクセスが集中する忙しい期間に休業してしまったのでは売上と顧客サービスの面で大きな損失となってしまうのだ。


休日設定と採算性

 オンラインショップ経営でも実店舗経営でも同じだが、特別期間(年末年始やGWなど)は採算性を考慮しながら営業するか休業にするかを決めることが多い。期間中に期待できる粗利益高と人件費とを比較して、(粗利益高>人件費)の黒字が見込めるようなら営業してもメリットがあるが、(粗利益高<人件費)なら休業した方が賢いことになる。

  ・今年のGW(5月3,4,5日)の売上高 --------> 250,000円
  ・平均粗利益高 ---------------------------->   35%
  ────────────────────────────
   ◎GW中の粗利益高 ----------------------> 87,500円

  ・自分の人件費      =15,000円×3日
               =45,000円
  ・スタッフの人件費(2名)=10,000円×3日×2名
               =60,000円
  ────────────────────────────
   ◎GW中の人件費 ------------------------> 105,000円

 上のケースではGW中の人件費が粗利益を上回ったために実質的な赤字だ。これを教訓とすれば来年のGW期間はスタッフ1名を休ませ、自分+スタッフ1名で業務を担当するのが採算的には正しいことになる。同じ方法により平常時1週間の(粗利益:人件費)のバランスを分析して最も採算性の悪い曜日を定休日とするのが、経営的に判断してダメージの少ない休み方となるわけだ。

 Webサイト運営の場合にはアクセスログを解析することにより各曜日毎の混雑状況が把握できるため、実店舗運営よりも正確な休日設定やスタッフ体制の増員、減員予測を立てることが可能となるはずだ。


■JNEWS LETTER関連情報
JNEWS LETTER 99.4.9
<顧客の流れと顔が見えるアクセスログ分析のイロハ>
https://www.jnews.com/mem/back/1999/199904/j990409.html
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年6月1日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
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