起業家になるためのノウハウ集

     
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読

配信先メールアドレス



JNEWS MENU

トップページ

ビジネスニュース

ネットビジネス事例
  ・海外サイト編
  ・国内サイト編

JNEWS LETTER
  ・2週間無料体験
  ・正式購読案内
  ・バックナンバー
   (会員専用)
  ・運営ノウハウ
  ・FAQ:よくある質問
  ・会社案内

起業家になるための
 ノウハウ集

ビジネスイベント情報

SOHO
 インターネットワーク

起業家
 プレスリリースボード

サイバーマーケット
 リサーチ

顧客生涯価値(LTV)が教えてくれる
固定客向け戦略
written in 1999.4.13

 オンラインショップのマーケティングには新規顧客を獲得するための戦略と、リピーター(固定客)として定着してもらうための戦略の2種類がある。当然ながら新規顧客獲得戦略は継続していく必要があるが、固定客向け戦略についても具体的な数値分析をして打つべき手段を考えていかなければならない。

 固定客分析の場合には「顧客歴」によって購買傾向が異なる点に注目していくと、固定客がもたらしてくれる将来的な売上と利益を予測できるようになる。顧客がショップ側に与えてくれる利益は決して「その場かぎり」ではなく、上手に付き合っていけば長年にわたり安定した利益を与えてくれる。この考え方は「顧客生涯価値(LTV=life time value)」としてインターネット・マーケティングの世界で注目されている。


顧客歴の追跡

 「あなたのショップのリピーター率は何%ですか」という問いに対して単純に「○○%です」と答えることはできない。オンライン or 実店舗に関係なくリピーター率は顧客歴によって変化しているのだ。

 例えば、あるオンラインショップが開設1年目に繁盛して1000人の新規顧客を獲得できたとすれば、この顧客達は2年目以降に下記のような推移を見せるはずだ。

 ・1年目 ------------>1000名(新規顧客として)
 ・2年目 ------------> 600名(1年目〜2年目のリピーター率 60%)
 ・3年目 ------------> 390名(2年目〜3年目のリピーター率 65%)
 ・4年目 ------------> 273名(3年目〜4年目のリピーター率 70%)
 ・5年目 ------------> 204名(4年目〜5年目のリピーター率 75%)
 ・6年目 ------------> 163名(5年目〜6年目のリピーター率 80%)

 具体的なリピーター率の数値はショップ毎に異なるが、繁盛しているショップの特徴は顧客歴が長い客ほどリピート率が上昇していく。つまり「馴染み客」「常連客」が定着してくるわけだ。

 しかし固定客に対して満足度の低い商売をしているショップでは反対に、顧客歴が長い客ほどリピート率が低下していく。

 ・1年目 ------------>1000名(新規顧客として)
 ・2年目 ------------> 600名(1年目〜2年目のリピーター率 60%)
 ・3年目 ------------> 330名(2年目〜3年目のリピーター率 55%)
 ・4年目 ------------> 165名(3年目〜4年目のリピーター率 50%)
 ・5年目 ------------> 74名(4年目〜5年目のリピーター率 45%)
 ・6年目 ------------> 30名(5年目〜6年目のリピーター率 40%)

 ちょっとした固定客向け戦略を組むかどうかの違いにより1年目に苦労して獲得した新規顧客 1000名が163名残るか、30名残るかの差が生じる。いずれにしても8割以上の顧客は去ってしまったことになるが、これだけの差でも顧客生涯価値(LTV)を算出すると大きな利益格差が生じることを説明してみよう。


顧客生涯価値の算出

<リピーター率が 5%ずつ上昇する場合>

顧客歴 リピーター率  固定客数  売上額(客単価 8000円) 粗利益(40%)
1年目  (新規)    1000人     \8,000,000     \3,200,000 
2年目   60%     600人     \4,800,000     \1,920,000 
3年目   65%     390人     \3,120,000     \1,248,000 
4年目   70%     273人     \2,184,000      \873,600 
5年目   75%     204人     \1,632,000      \652,800 
6年目   80%     163人     \1,304,000      \521,600 
                 -------------------------------------
                    \21,040,000     \8,416,000 
                                ↑
                                │
                              (LTV)

<リピーター率が 5%ずつ下降する場合>

顧客歴 リピーター率  固定客数  売上額(客単価 8000円) 粗利益(40%)
1年目  (新規)    1000人     \8,000,000     \3,200,000 
2年目   60%     600人     \4,800,000     \1,920,000 
3年目   55%     330人     \2,640,000     \1,056,000 
4年目   50%     165人     \1,320,000      \528,000 
5年目   45%      74人      \592,000      \236,800 
6年目   40%      30人      \240,000       \96,000 
                 -------------------------------------
                    \17,592,000     \7,036,800 
                                ↑
                                │
                              (LTV)

 実際には顧客歴が長くなるほど客単価も上昇する傾向があるが、今回は敢えてそれを考慮せずに「客単価= 8000円」「粗利益= 40%」に統一して顧客生涯価値(LTV)を算出してみた。その結果、上記2パターンでは約 140万円近いLTVの差が生じている。これに顧客歴に応じた客単価上昇率を合わせて考えれば毎年のリピーターの変動率が大きな利益格差に繋がることが理解できるはずだ。

 リピート率を高めるには固定客に対して定期的にDMを発送するのが実店舗戦略のセオリーだが、オンラインショップでは無意味なDMメールは評判を落とすことになるため、月1回、2ヶ月、3ヶ月に1回といった長い間隔でも構わないので、定期的に充実したメールマガジンを発行するのが良い。これだけの努力でもリピート率に数%程度の変動は見られる。オンラインショップ運営者は自店の顧客リストを顧客歴毎にグループ化して、リピート率が年々上昇しているか下降しているかを確認し、次の戦略に生かしてもらいたい。


■JNEWS LETTER関連情報
JNEWS LETTER 98.8.19
<新規顧客獲得をクリアーしたWebショップ・次の成功戦略とは>
https://www.jnews.com/mem/back/1998/199808/j980819.html
JNEWS LETTER 99.2.19
<歴史が教える専門店化戦略の押さえどころと問題点>
https://www.jnews.com/mem/back/1999/199902/j990219.html
※バックナンバー用ID、PASSWORDを入力してご覧ください。


これは正式会員向けJNEWS LETTER 1999年4月13日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
 
JNEWS LETTER 2週間無料体験購読
   配信先メールアドレス



Copyright(c) 1996-2001 Japan Business News