低リスクで安定売上を目指すなら「派遣契約型」、売上変動によるリスクはあっても日々の業務の中で技術力・ノウハウを蓄積して次の段階の成長を目指すなら「請負契約型」ということになる。ソフトハウスのリスクとは形態別の収益構造から明らかになる。
<派遣型ソフトハウスの収益構造>
クライアント側に社員を派遣して開発する形態では契約内容が「クライアント側指揮命令に従事する」こととなる。そのためソフトハウス対しては月単位の支払いがあり、資金繰りは比較的安定している。ただし料金設定は「工数×単価」が基本となるために労働集約的な色合いが強まり、高い利益率の商売をすることは難しい。
<請負型ソフトハウスの収益構造>
一括請負の場合の料金設定は「1プロジェクト単位」となるため、1プロジェクトを何人で担当するのか、ではなく納期までに完成させることが可能であれば効率的な仕事分担を割り振ることも可能。その場合は利益率の高い仕事をすることができる。
ただし重大な問題はプロジェクトが完成するまでは全く売上にならないという点。1プロジェクト完成までに6ヶ月を要すれば、その6ヶ月間の人件費を中心とした経費支払い資金は他の売上または借入により調達しなければならない。
●派遣型の売上形態
1月 2月 3月 4月 5月 6月
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100万円 100万円 100万円 100万円 100万円 100万円
●請負型の売上形態
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
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↑ 0円 0円 0円 0円 0円 0円 ↑ 1000万円
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