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自転車通勤者の増加に伴う盗難防止駐輪設備の開発

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JNEWS会員配信日 2020/6/5

 自転車通勤者が増えることにより、駐輪スペースを増やしていくことも、行政と民間が協力して行うべき、社会的な事業になる。英国ではロンドン市内の各駅に2万台、路上にも15万台以上の駐輪スペースを確保している他、地域の住民が自治体に申請することで、新規の駐輪スペースを整備してもらうことも可能だ。

ただし、駐輪場の整備はスペースの確保だけではなく、自転車の盗難対策が重要になり、防犯面に配慮された駐輪設備を開発することの潜在市場も大きい。英国ではロンドン市内だけでも、年間で2万件以上の自転車盗難が起きている。

「Cyclehoop」は、英国の交通局、自治体、大学、病院、不動産大家などを主な取引先として、立地条件や道路事情に適した各種の駐輪施設を開発しているメーカーだ。その中でも、「Bikehangar(バイクハンガー)」という製品は、駐車場1台分以下のスペースに、6台の自転車を停められる、屋根付きガレージタイプの駐輪施設で、施錠機能も付いているため、利用者は盗難被害に遭うリスクが少ない。

■Bikehangarの紹介映像

アパートの住民などは、高額の自転車を盗まれないために、愛車を部屋まで運んで保管するケースが多いが、近隣のサイクリスト仲間を募って、自治体に申請書類を出して審査にパスすると、公的資金でバイクハンガーを設置してもらえる制度が、英国では整備されている。申請をしたサイクリストに限定して、バイクハンガーの鍵が貸与されるため、プライベートなガレージとして使用することができる。鍵を貸与されたサイクリストは、年間72ポンド(約9800円)の利用料を払う規約だが、自治体によっては、利用料が割引きや免除になる制度も用意されている。

Cyclehoop社のビジネスモデルは、自社開発した盗難防止機能付きの駐輪設備を、地域の自治体や学校などを取引先として各地に設置した上で、限定された利用者に対して鍵をレンタルする仕組みになっている。

日本でも、行政が電車やバスの混雑率を下げる目的で、自転車通勤者を増やす施策を実行すれば、駐輪場の整備は不可欠になるが、盗難対策までを盛り込んだ英国の駐輪システムは参考になる。

Cyclehoop Cycle Parking rentals

《Cyclehoop社の駐輪場レンタルモデル》

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