サラリーマンが2つの会社と雇用契約を結び、2ヶ所から給与を貰うこと(2重就職)は合法的に行うことが可能。大学教員の業界では「クロスアポイントメント制度」として、その仕組みが形成されている (JNEWSについてトップページ
2重就職でダブルインカムを実現する新ワークスタイル

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JNEWS会員配信日 2020/10/13

 サラリーマンの良い点は、毎月の給与を安定的に得られることが大きいが、反面、リストラなどで職を失えば、急転直下の無収入になってしまうリスクも併せ持っている。そのためにも、サラリーマンの副業が推奨される風潮になってきたが、誰もがダブルインカム(2重の収入源)を成功させられるわけではない。

クラウドワーク系の仕事を仲介するランサーズが、2018年に行った「フリーランス実態調査(2018)」によると、昼間は会社で働きながら、空き時間を利用して副業も行っている「副業系すきまワーカー」は、国内で458万人いる。その中で、年収が10万円未満の割合は5割以上を占めており、副業の形態で収入を得ることの難易度が高いことを示している。

《副業系すきまワーカーの年収水準》

副業が上手くいかないことの理由には、サラリーマンとしてフルタイムで働いた後、さらに副業に取り組むのは、時間的にも体力的にも厳しく、中途半端な仕事になってしまうことがある。将来の独立を強く意識して行うような副業でなければ、モチベーションが持続しないのも実情である。

そこで、起業を目指す程ではないが、サラリーマンとして新たな可能性を試したい人にとっては、複数の会社と雇用契約を結び、給料を二口にする方法が注目されている。具体的には、1週間のうち2日をA社で、3日をB社で働くようなスタイルで、短時間正社員の仕組みを効率的に活用したものだ。

トータルの労働時間は週40時間で変わらないが、給与収入が分散されることで、失業リスクを軽減できることと、2社の仕事を両立させることで、複数の実務経験を積み、専門知識やスキルの習得に役立てる利点がある。

時短社員というと、育児と仕事を両立させる主婦向けのワークスタイルという印象があるが、じつは高度な専門職にも適している。具体的な導入が検討されているのが、博士号を取得している研究者の新たな雇用体系で、「クロスアポイントメント」という制度を、各大学が採用し始めている。これは、教授クラスの大学教員を「大学と大学」または「大学と民間企業」の2団体で雇用することにより、人件費を分担させることに加えて、産学の共同研究をしやすくする仕組みである。

《大学クロスアポイントメント例》

日本の雇用制度は、機密情報漏洩などの観点から、他社との兼業を禁止することが就業規則で決められているケースが多いが、法律的には複数の雇用契約を結ぶこと(2重就職)に問題はない。テクノロジーの進化が早い時代には、大学と企業が、それぞれ独自に研究開発をするよりも、両者が優秀な人材を2重雇用することで、技術革新のスピードを高めていこうとする考え方へとシフトしている。

この仕組みは、大学機関だけではなく、他の業界や職種にも応用することができ、中高年の人件費が高い人材がリストラされたり、若い人材が好きな職種に就職できないという問題を解決できる可能性もある。そこにリモートワーク勤務の体系も加えると、週3日はA社に通勤、週2日はB社の仕事をリモート勤務しながら、両者から正社員としての給与収入を得るワークスタイルも実現できる。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・クロスアポイントメントの仕組みとメリット
・大学研究者の世界に起きる雇用制度改革の動向
・雇用主に利益をもたらす兼業制度の作り方
・2重雇用における給与分担の考え方と方法
・兼業社員のモチベーションを高める成功報酬
・民間企業に広がる雇用シェアリングの仕組み
・コロナ禍で需要が高まる出向人材仲介サービス
・民間企業に広がる雇用シェアリング
・中高年者に適用される短時間正社員の働き方
・短時間正社員の給与、報酬体系について
・時短正社員+フリーランスの働き方
・兼業で時間収益を最大化するパラレルワーカー

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