リモートワークでチームの結束力を高めるポイントは、「我々はなぜリモートワークで事業を形成するのか」という企業文化の部分で、リモートで仕事をすることのハンディをプラスのモチベーションに変えられる社風を作ることが重要になる。
リモートワークの結束力を高める企業カルチャーの作り方

JNEWS
JNEWS会員配信日 2017/12/17

 米コンサルタント会社の「ギャラップ」が2016年に行った調査によると、米国で新規雇用された従業員(15,000人対象)の43%が、リモート勤務ができることに関心を示している。2012年調査との比較でも、週に何日かのリモート勤務をする社員の在宅勤務時間は伸びていることから、サラリーマンの働き方としても、リモートワークは着実に浸透してきている。

Out of the Office: More People Are Working Remotely, Survey Finds

しかし、現状ではリモートワークが完成された勤務体系というわけではない。米IBMでは、法人向けのビデオ会議システムを主力商品としてきたこともあり、自社でもリモート勤務制度の導入を積極的に推進してきたが、近年の業績は、5年連続減収となっていることの反省から、2017年にはリモート勤務の方針を見直して、一部の社員をオフィスに呼び戻すことにしている。それに伴い、通勤圏から離れた地域に住むリモート社員は、オフィスのある都市へ引っ越しをするか、退職金を受け取って離職するかの選択を迫られている。これは実質的なレイオフという見方もある。

IBMには世界で38万人もの従業員が在籍しており、その4割が一部またはフルタイムのリモートワーカーとして働いている。しかし、巨大な組織になるほど非対面でのコミュニケーションによる弊害も生じてくる。その点では、リモートワークの導入に適しているのは、50名程度までのスモール企業で、かつ、オフィス勤務組とリモート組に分けるのではなく、すべての社員をリモート勤務にしてしまうことが望ましい。

そうしたリモートワーク・カンパニーを築く上で重要になるのが、「我々は、なぜリモートワークで事業を形成するのか」という“企業文化”の部分である。オフィスのコスト軽減や、有能な人材が欲しいからという理由だけでは、リモートでチームの結束力を高めていくことは難しく、メンバー全員で共有できる価値観や想いがあったほうが良い。たとえば、育児や介護、大切にしたい趣味と仕事の両立、対人関係の悩み、健康上の問題などからリモートワークを希望する人は多い。それを仕事にする上でのハンディではなく、プラスのモチベーションに変えられる社風が、新たな企業文化になる。

2003年に創業された「Ciao Bambino(チャオバンビーノ)」は、赤ちゃんがいるファミリー層に特化した旅行会社で、18人いる社員はすべて子育て中の女性が、完全なリモートで採用されている。創業者の女性は、赤ちゃんを連れながら快適な海外旅行ができる航空会社やホテルは少ないことに、自身の経験から気付き、乳幼児と共に行けるツアーを専門に企画している。社員となるチームのメンバーは、同じ想いを抱いている女性(母親)であることがマストの条件で、それが同社のリモートワークカルチャーを生み出している。

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