リモートワークの賃金体系は勤務地の物価水準にも配慮が必要。どの地域のワーカーに対しても同一の賃金体系は平等のように見えるが、家賃や生活コストの差があるため、それを加味しなければ、都会在住のリモートワーカーが離れてしまうことになる。
地域水準に配慮したリモートワーク賃金体系の決め方

JNEWS会員配信日 2017/12/17

 世界のどこからでも勤務ができるリモートワーク企業は、コストの面でも利点がある。よく言及されているのは、オフィスの家賃を節約できることだが、賃金の設定方法も工夫がされている。ポイントになるのは、どの地域の賃金相場を基準にするのかだ。

たとえば、米国の田舎町に住んでいる人材が、リモートワーカーとして働き、ニューヨークやサンフランシスコ水準の給料が貰えれば非常に魅力的だが、雇用する会社側にとっては人件費が嵩むことになる。逆に、大都市を拠点にするリモート企業が、地方在住の優秀な人材を採用し、地方水準の給与を支払えば、人件費を安く抑えられる。実際のリモート企業では、多様な地域から人材を採用しているため、その設定方法が難しい。

すべてのリモート社員に対して、地域格差の無い賃金設定をすることは、一見“平等”のようにもみえるが、都会と田舎では、家賃や生活コストの差があるため、それを加味しなければ、都会在住のリモートワーカーが離れてしまうことになる。
そこで、リモートワーカーの賃金体系では「地域調整値」という指標が考案されている。

たとえば、世界各国からエンジニア人材をリモート採用している会社では、その賃金設定には国別の調整値を設定している。米国在住の社員を「1.00」として、ドイツ0.90、英0.80、オランダ0.80、中国0.66、といった差を付けている。さらに、同じ国でも、各地域の家賃相場から分析した調整指数も設定することで、すべてのチームメンバーに生活水準の格差が生じにくくなる配慮がされている。

リモートワーカーにとっては、どこから働いても同じ賃金が貰えるなら、できるだけ生活コストが安い地域に住んだほうが、実質的な豊かさは高くなり、都会から田舎への移住が加速することになる。しかし、企業にとって、人材のローカル化が進むことは、新しい技術やトレンドを取得する上でもマイナスとなるため、本社の所在地や社員の勤務地による賃金設定のノウハウは重要になる。

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