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  欧米、豪州、ニュージーランドなどでは、国が女性の起業を支援する動きが広がっている。この背景には、女性の起業者が増えることによる、世帯収入の増加や、女性社員の雇用を伸ばしたいという狙いがある。
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日常のハンディを乗り越え
世界に飛躍するマムプレナー集団
written in 2012/5/4

 世界で「起業したい」と考える人達の動機は、“金持ちになりたい・成功したい”ということよりも、身の回りにある不自由さを改善して、快適に暮らせるようにしたい気持ちのほうが大きい。統計からも、すべてが満たされている国よりも、何らかのハンディがある国のほうが、起業意欲は高いことが裏付けられている。

「GEM 2010 Women"s Report」では、調査対象とした59ヶ国を、「専門の職業訓練を受けた人材が少なく、自然の資源に頼っている国(=発展途上国)」「工業化が進んで製品の品質が向上してきた国(=新興国)」「付加価値の高い製品を生み出すことができ、サービス業も充実している国(=先進国)」という3グループに分けて分析したところ、発展途上の国ほど起業意欲は高いことがわかっている。

先進国の中でも、これから旺盛な起業意欲が期待できるのは、仕事をする能力は高いのに、好条件の職に恵まれていない女性層であり、世界のどこからも遠く離れているという、地理的なハンディを持つニュージーランドでは、国を挙げて「起業家集団」を形成しようとしている。

「農業や水産」という事業の素地があるニュージーランドでは、それをステップとして、食糧生産、ワイン、養殖、バイオテクノロジーなどの分野で、世界をリードしていきたいという意向。そのためにも、新規の起業家を生み出すことに積極的だ。政府は、研究開発に対する助成金予算の45%を起業者に割り振るように配慮している。

また、女性の起業を支援するためのワークショップやコミュニティも多数開設されて、ビジネスの経験が無い女性でも開業しやすい環境が充実しているが、これは、ニュージーランドでは「マムプレナーを育成すること」自体をビジネスとしている女性起業家も多いことが関係している。

「ochre baby(オーカー・ベイビー)」という会社は、新ビジネスのアイデアはあるのに、それをどう事業化すればよいかわからない女性向けに、定期的なワークショップを開催することを本業にしている。参加は有料で、4時間の講座が60NZドル(約3,800円)。開催する時間帯は、忙しい母親でも参加しやすいように、土曜日の9:00〜13:00に設定されている。



また、「VENUS NETWORK(ビーナス・ネットワーク)」は、姉妹のように助け合うことを目的とした女性実業家ネットワークで、各会員が手掛けるビジネスの販路開拓や、業務提携ができるパートナー探しのマッチングを主な目的とした活動をしている。有料会員制で運営されており、会費は6ヶ月 320NZドル(1.9万円)または1年間で 550NZドル(約3.3万円)。



 ニュージーランドの国土は日本の約3/4だが、人口は400万人しかいない。そのため、自国だけをターゲットにしたビジネスでは商圏が小さいことから、マムプレナーとはいえ、世界の市場を意識した事業モデルが多数みられる。母国語が「英語」という強みと、ネットを活用することで、スモールビジネスでも軌道に乗れば、グローバルな展開がしやすいのも、ニュージーランドで起業が推奨されている理由といえる。

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この記事の核となる項目
 ●女性起業家に期待される新市場の創出
 ●女性オーナーによる企業数の推移(米国)
 ●起業支援で国力を伸ばすシンガポールの政策
 ●福祉路線からシフトした英国の女性起業支援
 ●英国で成功しているマムプレナー事業モデル
 ●不自由さが生み出す女性の起業精神の特徴
 ●世界市場を意識したNZマムプレナーの事業モデル
 ●女性の地位向上で求められる、子育て代行のスペシャリスト
 ●残業から副業へ変わるエリートサラリーマンの生計モデル
 ●ダブルインカムを狙った家族法人による副業と家業の作り方
 ●欧州企業が推進するテレワーカー育成と社会保障問題の接点
 ●年収格差の逆境から生まれる女性の知恵と新ライフスタイル


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 ●女性起業家がリードする"スペシャリスト"としての新テーマ
 ●マムプレナーが生み出すスモールビジネスと新市場の発想力
 ●米国女性の旺盛な社会進出を支える保育サービスと出生率の関係
 ●知的人材が支えるニュージーランドの起業熱とスモールビジネス
 ●女性の地位向上で求められる、子育て代行のスペシャリスト