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30歳以降のシングル層が生み出す 新たな消費マインドと独身市場 |
written in 2004/12/1
30代以上・未婚・子ナシ女性のことを“負け犬”と表現した「負け犬の遠吠え」という本がベストセラーとなって話題を集めたことは記憶に新しい。結婚しない女性の生き方を逆説的に突いたこの本は、出版企画として大成功を収めたが、これは30歳以降の独身女性が大きな市場を形成していることの裏返しでもある。
独身市場といえば、これまでは20歳代を中心に形成されてきたが、晩婚化の世相を反映して次第に客層が30歳以降へと動いている。国勢調査の結果をみても30〜34歳の未婚率は著しく上昇していることがわかる。
《30〜34歳人口における未婚率の推移》
| 1970年 | 1975年 | 1980年 | 1985年 | 1990年 | 1995年 | 2000年 |
男性 | 11.7% | 14.3% | 21.5% | 28.1% | 32.6% | 37.3% | 42.9% |
女性 | 7.2% | 7.7% | 9.1% | 10.4% | 13.9% | 19.7% | 26.6% |
未婚率が上昇すると少子化はさらに進行するため、長期的には経済に悪影響を及ぼすことになるが、短期的には毎月の小遣いを十分に使える大人の独身者が増えて、その層をターゲットとしたビジネスが潤う可能性は高くなる。そこには、ファミリー層とは異なる独身者の消費マインドが潜んでいる。その心理を理解することにより、幅広い業界において独身貴族相手に付加価値の高いビジネスを展開していくことができる。
しかしこれまでは、30歳以降の独身者に対するサービスはあまり重視されてこなかった。ファミリー向け、若者向けとも異なる同市場は、真正面から陽が当たることは少なかった市場だ。わかりやすい例でいえば、夏休みや正月シーズンにはファミリーやカップル向けのツアー企画はたくさん登場してくるが、一人で行動することが基本の独身者にとっては蚊帳の外のイベントでしかない。金銭的には余裕がありながらも、満足に楽しめないでいる独身者をそのまま放置しておくことは、大きな商機をみすみす逃していることに他ならない。
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●シングル層のニーズに合わせた商品の設定プラン(ソロ・ショッピング)
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JNEWS LETTER 2004.12.1
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