暗号トークンを活用したデジタル宝くじの開発モデル
暗号技術でNFT化されたチケットには抽選機能を組み込むことができるため、イベント終了後の参加者の中からプレゼント当選者を決めたり、次回イベントの割引特典を与えたりして、ファンとの関係を持続することもできる。さらに、抽選機能の活用が期待されるのが、合法的に販売されている「宝くじ」の市場である。
日本の公営宝くじを例にすると、紙の宝くじは、販売収益の中で印刷代と販売経費が14%かかっており、これをデジタル化することで当選金の分配率を高めることができる。さらに、NFTによって宝くじの販売履歴を管理できると、当選券の換金忘れや、販売店の不正を防ぐことができる。
さらに宝くじの仕組み自体も、NFTによって進化していくことが予測されている。
2019年から、分散型金融サービス(DeFi)として開発されている「PoolTogether」は、損失が生じない宝くじの開発をしている団体で、暗号通貨で預金をしながら週1回の当選チャンスがある宝くじを提供している。
その仕組みは、ユーザーが口座に預けた暗号通貨をレンディングサービス(貸付)で自動運用することで生じる利息収入を、宝くじの賭け金に回すことで、元本を目減りさせることなく、当選への期待を楽しむことができるものだ。
資金の貸付先となっているのは、「Aave(アーベ)」など暗号通貨のレンディングサービスで、融資金額に対して50~75%を上回る担保を取る方式のため、貸し倒れになるリスクは低くて、過去2年間に損失が生じたことはない。
PoolTogetherには、サービス開始から2年が経過した2021年の時点で1億9400ドルの暗号資金が預託されており、毎週10万ドル以上の宝くじ賞金が支払われている。
当選確率は預ける暗号通貨の種類によっても異なるが、過去の当選例では、74ドルの資金を預けたユーザーが、4万ドルを超す賞金を受け取っている。
暗号通貨の投資では、含み益が出ている状態で売却して現金化したり、他の仮想通貨に交換すると納税義務が生じるため、利益確定をしないまま必要な資金を調達する方法として、保有している暗号通貨を担保にしたレンディングサービスへのニーズがある。投資家は、当面使う用途のない暗号通貨を、レンディング業者に直接預託することでも金利収入を得られるが、PoolTogetherのユーザーは、金利を得られる権利を放棄して、高額賞金が当たる宝くじに賭けることになる。
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