日本でも導入が進んでいるロボット・プロセス・オートメーション(RPA)の導入費用は、社員がPC作業を行う人件費と比較したライセンス体系が設定されている。RPA導入に対する費用対効果は、自動化させる業務の 内容によっても変わってくる(JNEWSについてトップページ
ロボット・プロセス・オートメーション導入の費用対効果

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JNEWS会員配信日 2019/6/23

 オフィスのPC作業を自動化させる「ロボット・プロセス・オートメーション(RPA)」のシステムは、「デスクトップ型」と「サーバー型」に大別されている。
デスクトップ型は、PC1台毎にインストールをしてロボット化させるもので、個人事業者や数名程度の社内部署が、特定の業務を自動化したい用途に適している。

デスクトップ型のRPAソフトは安価で導入できるのも利点で、体験用の無償版も配布されている。RPAで何ができるのかを検証したい場合にはフリー版の利用からスタートして、そしてRPAの活用に慣れてくれば、正式なサポートが受けられる商用版へと移行するケースが多い。

2005年にルーマニアの起業家が開発した「UiPath」は、世界でトップクラスのシェアがあるRPAツールで、現在は米ニューヨークに本社拠点を移し、日本語版もリリースしている。世界の導入件数は2,500件、日本での導入件数は900件以上とアナウンスされている。


UiPathの利用体系には「コミュニティエディション」という無償ライセンス版が用意されている。個人事業者と年間売上が500万ドル(約5.5億円)までの企業が機能の評価とトレーニングの目的で利用するのが、無償版の条件だ。このバージョンでは、カスタマーサポートは非対応となっているが、使用方法を解説したビデオ教材や、ユーザー同士で学べるオンライン・コミュニティが設置されていることが、新規のユーザー数を増やす原動力になっている。

UiPathを業務で正式に導入する場合には、カスタマーサポートが受けられる商用版を導入することになる。こちらも導入規模によって、複数のライセンスが用意されているが、最小規模の構成(PC1台)で、業務自動化プロセスの開発・実行・管理を行う場合のライセンス料金は、年間およそ60万円~となっている。

年間60万円というライセンス料は、企業が雇用しているホワイトカラー社員の平均時給を2,500円とすれば、240時間分の労働に相当する。つまり、業務の自動化によって月に20時間の人件費削減ができれば、UiPathの導入費用はペイできることになり、削減時間が増えるほど費用対効果は高いものになる。

他のRPAツールでも、PC1台あたりのライセンス料は年間50~100万円に設定されているが、業務効率の改善効果が高ければ、複数のPCロボットを集中管理できるサーバー型RPAを導入することで、さらに人件費を軽減することも可能だ。RPAの費用対効果は、自動化の対象となる業務の人件費をベースに算定されるため、専門性の高い職務に対応できるロボットほど、ライセンス料を高く設定することが可能だ。

反対に、類似のRPAツールが多数登場してくる職務分野では、仕事自体の価値が下がるため、人材の時給単価とRPAライセンス料の両方が下落していくことになる。

《代表的なRPAツール例》
UiPath
WinDirector(NTTデータが開発)
WinAutomation
Automation Anywhere

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