2006年から制度可された少額短期保険の仕組みを活用することで、多様なミニ保険が商品化されるようになっている。ブロックチェーンによる保険業務の運用プラットフォームも開発されて、異業種から保険ビジネスに参入しやすい環境は整ってきている(JNEWSについて
ブロックチェーンで開発する少額短期保険(ミニ保険)

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/4/8

 日本でも、新種の保険商品を小規模で開発することは容易になっている。平成17年に改正された保険業法の中では、少額短期保険制度というものが創設されている。

制度の発端になったのは、農業協同組合や労働組合などが組合員向けに行っている保険事業(共済)を模倣した、民間事業者の共済が2000年頃から次々と登場してきたことである。当時は、民間共済を規制する法律が無かったことから、改正保険業法の中で、法的な根拠の無い民間共済に代わるものとして「少額短期保険」の制度が設けられたのだ。

少額短期保険は、保険期間が1年単位、1契約者あたりの保証額が1000万円までの掛け捨て保険を運用することができ、事業者の要件も緩和されているのが特徴だ。通常の保険会社は、資本金が10億円以上で、金融庁による免許制となっているのに対して、少額短期保険業者は、資本金が1000万円以上の株式会社であれば、財務局への届け出をすることで、独自の保険商品を販売することができる。

《少額短期保険業者になるための条件》

少額短期保険の運用モデルとしては、賃貸アパート入居者向けの新たな損害保険を開発して、全国の中小不動産屋を代理店としていくケースや、ペット保険を開発して、動物病院やペットショップを代理店としていくケースなどがある。日本少額短期保険協会によると、2019年4月の時点で100社以上の少額短期保険業者が存在している。


※イオングループが提供する少保短期保険型のペット保険例

少額短期保険が次々と生まれている背景には、時代の変化により、各分野で新たな保険商品へのニーズが高まっているが、大手の保険会社では、対応している商品が少ないこと。また、該当の保険商品があっても、代理店としてのマージン率は低く、販売ノルマは厳しいことなどがある。そのため、各業界で独自の少額短期保険を開発しようとする動きが広がっているのだ。

《少額短期保険のカテゴリー例》
○地震、火山噴火、水害に備えた保険
○ペットの医療保険
○糖尿病患者向けの医療保険
○自転車保険
○お天気保険(旅行会社やホテル向け)
○小売店舗向けのテナント保険
○小学生、中学生向けの損害保険
○がんサバイバー向け再発治療保険
○孤独死が起きた賃貸大家向けの保険
○外国人技能実習生向けの保険
○旅行に行けなかった時のキャンセル補償保険

 テクノロジーの面からも、少額短期保険は運用しやすくなっている。ネットワークシステムの性能監視システムを本業とするアイビーシー株式会社では、ブロックチェーン技術を保険業界で活用することを目的とした「iChain」という子会社を設立しているが、その中では、少額短期保険会社向けにSaaS型の業務管理プラットフォーム「iChain Base」を開発している。

このプラットフォームを利用すれば、少額短期保険の事業者は、専任のエンジニアを雇って独自のシステム開発を行わなくても、契約管理や保険給付金の支払い処理など、保険業務の全体を運用できるようになる。個々の契約情報はブロックチェーン上のネットワークに記録されるため、契約書面の発行を省いた、効率的な保険事業を展開できる。

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