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顧客購買心理プロセスから考える オンラインショップの構築術
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オンラインショップが顧客をサイト内に囲い込んで具体的な注文を獲得するまでには、いくつかのプロセスを通過することになる。サイトに初めてアクセスする時点で明確に商品の購入意欲を持っているユーザーは少ないために、ショップ側が各プロセスに応じたユーザーの誘導や教育をおこなっていく必要がある。
消費者の一般的な購買心理パターンには、[注目]→[興味]→[学習]→[欲望]→[比較検討]→[信頼]→[実行]→[評価]という8段階のプロセスがあると言われている。そこで、ショップ経営者は各段階毎の具体的なサービス内容や戦略を考えることにより、サイトを充実させるためのアイディアや方向性が見えてくるようになる。
第1段階:注目
オンラインショップ運営における「注目」とはサイト名(URL)をいかにユー
ザー側にアピールするのか、という作業に該当する。最も定番となる作業が「サーチエンジンへの登録」だが、自店の紹介メッセージひとつにしても、その内容によってユーザー側の注目度は異なる。また、報道機関向けにプレスリリースを発行してメルマガや雑誌などのメディアに取り上げもらえる努力をするのも、この段階の重要な作業だ。
第2段階:興味
初めてサイトにアクセスしてくるユーザーの大半は1分以内に他のサイトに移動してしまう。偶然リンクを見つけて何気なくクリックしたものの、自分があまり関心のない内容のサイトであれば即座に次のサイトへ行ってしまうのがネットユーザーの習性。
そこで1分以内に「このサイトがどんなサービス、商品を提供しているのか」を説明して興味を抱かせる努力が大切。これは主にサイトデザインやユーザーインターフェイスの工夫によって効果を上げることができる。
第3段階:学習 → 第4段階:欲望
ユーザー側に興味を抱いてもらうことに成功すれば、次は具体的なサービスの詳細やメリットを説明する作業へと進む。これに該当する部分が「商品説明」であり、単純な商品写真と販売価格の掲載だけでなく、詳しく商品を解説すること(商品の情報化)によって学習効果を与えることができる。
また最近では、メールマガジン会員としてユーザーを囲い込んでメールによってプッシュ的な学習効果を促す手法も定番化している。このように見込み客を教育することによって「買いたい」という気持ちを引き出すことができれば、[第4段階:欲望]へと顧客を誘導できたことになる。
第5段階:比較検討
購入意欲が高まったユーザーはそのまま注文に至るケースもあるが、ここで一旦とどまり、他店との比較検討をおこなうケースも多い。同型商品が他のショップでも販売されている場合には、購入候補ショップをいくつか探し出して購入条件を検討することになるが、ユーザー側のこの習性に着目したサービスを提供しているのが商品比較検討サイトである。
オンラインショップ側としては、これら商品比較検討サイトと提携して、欲望段階の顧客を自店に上手に誘導する仕掛けもづくりも今後の重要な戦略となる。
第6段階:信頼 → 第7段階:実行
最終的に注文をするか否かを決定する要素となるのが(注文→決済→納品)に関するショップ側の体制である。「本当に商品が届くのか」「安心してカード番号を通知できるか」など、初めてのショップを利用する顧客側の不安要素を払拭できる説明をサイト上やメールでおこなうことによって、顧客側はショップを信頼して注文を実行する。
第8段階:評価
商品代金の決済や納品までが完了した段階で顧客側が抱くショップの印象(評価)が固定客として定着するか否かの重要な判断要素になる。この段階で顧客満足度調査をおこない、総じて満足度が低いようならショップ側のサービス自体に問題点があると判断できるため、これを改善する努力をすることが不可欠だ。
これら8段階の消費者側の購買心理プロセスを十分に理解して、自分のショップのネックになっている部分がどこにあるのかを客観的に観察してみることにより、消費者側の心を的確に捉えたショップ運営術が掴めるようになるのかもしれない。
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これは正式会員向けJNEWS LETTER 2000年9月1日号に掲載された記事のサンプルです。 JNEWSでは、電子メールを媒体としたニューズレター(JNEWS LETTER)での有料(個人:月額500円、法人:月額1名300円)による情報提供をメインの活動としています。JNEWSが発信する情報を深く知りたい人のために2週間の無料お試し登録を用意していますので下のフォームからお申し込みください。
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