ショート動画を活用したマーケティングとブランド構築
JNEWS会員配信日 2023/2/4
TikTokではユーザーが投稿する動画の中に広告を自動挿入する仕組みは導入していない。その代わりとして、企業とのタイアップが活発に行われており、人気のインフルエンサーは１日あたりの投稿で数千ドルを稼げるようになっている。
TikTokで、企業とインフルエンサーが出会う方法には、大きく３つのルートがある。１つ目は、企業がインフルエンサーに対してダイレクトメッセージを送信して動画制作の依頼をする方法。２つ目は、TikTok上の活動をサポートする事務所にインフルエンサーが所属して企業案件の紹介を受けること。そして３つ目のルートとして、TikTokが企業とインフルエンサーとの出会いを仲介する「TikTokCreator Marketplace」という公式マッチングサービスが運営されている。
TikTokインフルエンサーの価値は、動画のカテゴリー、フォロアー数、再生数、エンゲージメント率などによって総合的に判断されるが、おおよその目安として、フォロアー獲得数によって、スポンサー動画を作成、投稿する報酬相場が形成されている。
フォロアー数が多いほど、１投稿あたりのスポンサー報酬は高くなるが、企業はできるだけ低コストでキャンペーン効果の高いインフルエンサーを探しているため、無名でフォロアーが少ない発信者でも成功できるチャンスがある。TikTokの中では、いまトップクラスのインフルエンサーでも、数年年前までは無名の若者だったケースが大半を占めている。
TikTokのトップインフルエンサーと言われるのは、米コネチカット州出身のCharli D'amelio（チャーリー・ダミリオ）という18歳の女性で、1億4900万人のフォロアーを獲得している。彼女は、ダンスの競技経験を活かして、2019年に自宅の寝室で踊るダンス動画を投稿したことで一躍有名になった。人気の上昇に伴い、彼女の母親がマネージャー役となり、有名企業とのスポンサー契約を次々と獲得していった。
芸能人やセレブでもないダミリオが有名になれたのは、当時のTikTokがユーモア系と口パク系の動画で占められていた中、ダンス動画がTikTokのアルゴリズムとマッチして、大量ユーザーのFor Youページに表示されたためとみられている。ダンス動画がバズった後は、ユーザーが親しみやすいダンスを繰り返し投稿して、そのダンスを模倣するユーザー動画が増えたことも、アルゴリズムの高判定に繋がった。
■ブレイク当初のCharli D'amelioダンス動画
彼女が投稿するスポンサー動画の報酬は、１回あたり10万～25万ドルと推定されている。現在では、ダミリオ家のファミリー全体が、それぞれ数百万人から1000万人超のフォロアーを持ち、インフルエンサーとして活躍している。さらに、ファッション、美容、ライフスタイルをテーマとした独自のブランドも立ち上げて、事業家としての活動も拡大している。
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