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安全コストを意識した
カーシェアリング事業の採算と転換期
JNEWS会員配信日 2012/4/10

 環境に負荷をかけず、お金も節約できるとしてカーシェアリングが注目を集めてきたのは2000年以降のこと。しかし、実際にクルマをシェアしてみることにより、多数の問題点が明らかになってきた。

まず、忙しい人には向いていないということだ。シェアリングのステーション(駐車場)まで歩いて出向かなければならず、スケジュールが詰まっている人には、その時間が有効に使えないことになる。

米国の場合、車無しでは生活できない郊外や田舎では、食料品の買出しや通勤、通学にも車が必要で、そのたびにカーシェアリングを利用することは恐ろしく不便であるし、利用したい時間が重なり、いつでも予約可能だとは限らないなど、非現実的な面がある。また、車を貸し出す側も、そのまま車両が盗難される、安全運転をする利用者ばかりとは限らないなどのリスクが見えてきた。

さらに、カーシェアリング事業の最も大きな足かせとして「自動車保険」の問題が浮上している。従来の自動車保険は、「自動車の所有者=運転者」という前提のもとで、そのドライバーの年齢や事故歴などによって保険料金のランク(等級)を決めている。

しかし、不特定多数の人が利用するカーシェアリングは、どんな運転がされるのかわからないため、個人所有のマイカーよりも事故率は高いことが、統計的にも明からになってきた。利用者の大半は、「マイカーを所有していない人=運転に慣れていない人」なのだから、事故率が高いのにも頷ける。そこで、米国の行政はカーシェアリングに対して、安全面から様々な規制をかけはじめている。

昨年、カリフォルニア州では、全米で初めてカーシェアリングの保険加入についての法律が定められた。その内容は、全てのカーシェアリング運営会社に、マイカー所有者が加入しているのと同等か、それ以上の保険に加入することを義務付けている。

さらに、追加の条件として、「カーシェアリング・サービスによる利益が、車の安全管理にかかるコストを上回らないこと」とされている。つまり、カーシェアリングによる粗利益の半分以上は、安全のためのコストに回さなくてはならないことになる。このルールに基づけば、カーシェアリング事業でのボロ儲けはあり得ないことになり、利益よりも安全を優先できる会社でないと存続が難しい。

《米カリフォルニア州のカーシェアリング法》

 


この記事の核となる項目
 ●安全コストが重荷になる米カーシェアリング業界
 ●米政府によるカーシェアリングへの規制動向
 ●個人間カーシェアリングのリスクと保険会社の対応
 ●自転車シェアリング事業の採算性と問題点
 ●自治体との提携による自転車シェアリング事業
 ●リスクを軽減した個人間シェアリングの仲介プラットフォーム
 ●知識やスキルをシェアリングするプラットフォーム
 ●保育園の代わりとなる育児のシェアリングサービス
 ●ベビーシッター・エクスチェンジの仕組みについて
 ●近隣コミュニティによる育児や家事のシェアリングモデル
 ●ローコスト旅行を支援する宿泊施設の新業態と新たな大家業
 ●ルイ・ヴィトンは買わずに借りる時代の新ステイタスと資産形成
 ●安い家賃で優雅に暮らすルームシェア・ゲストハウスの台頭
 ●脱マイカー社会で変わる消費者の購買行動と商圏法則


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