ホームインスペクターは中古住宅の耐震性、屋根、外壁、水回り、電気設備の状況などを検査して、売買契約時の指針となるレポートを作成する専門家。日本でも中古住宅の流通を活性化させる目的で、ホームインスペクターの育成が求められている。
ホームインスペクターの役割と収益構造

JNEWS会員配信日 2017/5/28

 米国では、住宅検査の専門家「ホームインスペクター」の約8割が個人事業者であり、業界団体やフランチャイズに加盟する形で活動をしている。その中でも、米国ホームインスペクション協会(ASHI)は、1976年に設立された最も古い業界団体である。ASHI公認のインスペクターとなるには、住宅検査の国家試験にあたる「National Home Inspector Exam (NHIE) 」に合格した後、250件以上の検査実績を積む必要がある。

ASHIの認定を受けることで、公式サイトの会員データベースに登録されて、依頼者からのオファーを受けられるようになる。ASHIでは、インスペクターとしての活動、倫理基準を設けているため、認定インスペクターになることで信用が担保される。

依頼者の大半は、物件の買い手となるマイホーム購入者や投資家で、物件を内覧して2~3日のうちに購入可否の決断をするため、電話で依頼を受けた翌日には、現場に同行して検査を行うようなケースが多い。

1件あたりの検査にかける時間は2~4時間で、建物の外観、内装、屋根、水回り設備などをチェックして、口頭と書面で問題となる箇所を報告する。検査料は1件につき 500ドル前後が相場で、評判の良いインスペクターになると、1日に3件以上の検査を行うこともある。年間で 300件の検査を担当すれば、売上は15万ドル以上(約1800万円)が見込めるが、逆に言えば、それだけの案件を獲得できないと、本業としてインスペクターの仕事を継続していくことは難しい。


※ASHIによる住宅検査マニュアル


米国では年間で 600万戸の中古住宅が売買されているが、ASHIの調査によると、その77%がインスペクターを利用している。全米で活動するインスペクターの数は、およそ 2.5万人とみられている。

 一方、日本では中古住宅の流通規模が、米国の2~3割程度しかない。しかし、近年では不動産情報サイトで、買い手が中古物件を直接探せるルートが確立してきたことから、マイホーム購入者の中も、中古住宅を選択肢として考える人は増えている。国や自治体でも、空き家の再生策として中古住宅の購入者に対して補助金を支給しているが、その要件としてホームインペクションの鑑定書を求めるケースが増えている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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JNEWS LETTER 2017.5.28
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