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  移動販売車(フードトラック)を成功させるには、毎週決まった地域に出店できる場所を確保することが重要。公園やオフィス街などで、駐車可能な出店地を新規で開拓する「ロケーション・マネージャー」という仕事がある。
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フードトラックのロケーション戦略と
IT化するオペレーション
written in 2013/2/9

 フードトラックの開業に必要な資金は、トラックの車両本体が約50,000ドル、それに、看板のラッピングや厨房設備などの改造費(約15,000ドル)を加えて、65,000ドル前後(約600万円)というのが相場になっている。その他にも、トラックの保険代、食材をストックしておくための倉庫など、諸々の経費はかかるが、実店舗のレストラン(約1500〜2000万円)と比べれば、1/2〜1/3の資金で開業できるのが魅力。しかも、集客の面では、実店舗よりも機動力で勝っている。

米国のフードトラックは、Webサイト、ツイッター、フェイスブック、その他のSNSでも情報発信するのが定番で、経営者はスマートフォンを駆使しながら、頻繁に情報を更新している。人気店では、ツイッターで1万人前後のフォロアーが付いているため、広告料をかけずに、各出店場所での集客を促すことができるのだ。

集客する上で最も重要なのが「出店場所(駐車スペース)」の確保であり、最低でも同じ場所に1時間以上、できれば3〜4時間は留まっていたい。毎週の同じ日時に必ず出店していることが、リピート客を維持していくための方策でもある。

そのためには、公園などの公共スペースに出店できる許可を、自治体から受けるか、条件の良いエリアの私有地に、出店スペースを借りることも必要だ。飲食店(実店舗)とフードトラックとは競合の関係にあるため、出店はできるだけ排除したいと考える地域がある一方で、フードトラックが、街を賑やかにする効果もあるため、出店を歓迎している地域もある。そうした温度差を把握しながら、出店地を開拓していくことが大切。



そこで、フードトラックの出店場所を専門に開拓する「ロケーション・マネージャー」という仕事も登場してきている。公用地または私有地に出店できる正式な許可を取得した後に、そのスペースにフードトラックを出店させて、1回の出店につき数十ドルの出店料(固定額)+そのスペースでの売上高に対して、5〜10%のロイヤリティを受け取るような仕組みになっている。ロイヤリティの部分は、土地の所有者との間で分配する。

《フードトラックのロケーション開拓と収益分配》

 

自治体が、公園などを出店場所として提供する代わりに、売上の数パーセントをロイヤリティとして受け取れば、施設の整備費などに充てることができるし、フリーマーケットのような民間イベントでも、会場内にフードトラックを出店させれば、主催者の収益になる。また、チャリティーイベントでは、そのロイヤリティを寄付金に充当している主催者もいる。

フードトラックにとっても、出店料(固定額)の部分が安価で、ロイヤリティ中心の“場代”であれば、成功報酬による変動費として出店コストを考えることができるため都合が良い。

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この記事の核となる項目
 ●グルメランチを売るフードトラックの顧客特性
 ●人気フードトラックにみる料理の付加価値作り
 ●フードトラックのロケーション開拓ビジネス
 ●進化するフードトラックへの搭載テクノロジー
 ●移動料理人に向けたレンタルビジネスの商機
 ●飲食業以外にも広がる移動ビジネスの可能性
 ●脱マイカー社会で変わる消費者の購買行動と商圏法則
 ●現代版ご用聞きサービスからユビキタスコマースへの跳躍
 ●朝市に群がる消費者心理とフリーマーケット事業への商機
 ●移動販売ビジネスの失敗学と業界構造
 ●家賃なしで好立地に出店するワゴンショップのビジネスモデル


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JNEWS LETTER 2013.2.9
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