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  「お金を借りる」といえば銀行や消費者金融を利用するのが一般的だが、新たな動きとしてネットを使った個人間の貸し借りが登場している。これは「ソーシャル金融」と呼ばれるもので、欧米で普及しはじめている仕組み。
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個人のサイドビジネスとして増える
貸金業の実態と収益構造
written in 2006/11/1

 消費者金融に浸透していたグレーゾーン金利が見直されることとなり、サラ金各社の収益は軒並み下落することが予測されているが、これで高利の借金に苦しむ人が完全に無くなるというわけではない。貸金業の世界には、銀行→ノンバンク→消費者金融→街金融→ヤミ金融、といった暗黙の序列があるが、金利が下がれば消費者金融の審査基準が高くなるために、そこではじかれた客はさらに下層の貸金業者に流れていくことになる。

「貸金業」というのは、銀行のように預金は受け入れずに融資のみを行う金融業者のことを指していて、消費者金融や事業者金融に加えて、クレジット会社や信販会社などのノンバンクも含まれている。最近ではクレジットカードにキャッシング機能が付いているために、いわゆるサラ金との境界線は非常に曖昧になってきている。

実際に貸金業者に対してどれだけの需要があるかというと、消費者金融の利用者数は国内で約1400万人と言われている。単純計算でいけば国民の十人に一人が消費者ローンを利用しているということになるが、これにクレジットローンや銀行系の無担保ローンを加えると、貸金業への需要は想像以上に大きいことがわかる。金融庁の調査では消費者ローンの貸付残高は約20兆円の規模になっている。

しかしここに表れている数字は個人金融市場における氷山の一角で、正式な認可を受けない貸金業者までも含めると、さらに大きな規模になる。その中には暴力団が資金源としているヤミ金業者もいるが、もっと身近なものとして友人知人や身内との間の金の貸し借りも“個人金融サービス”の一部といえるものだ。最近では友人に金を貸すことで味を占めた普通のサラリーマンが、サイドビジネスとして貸金業を営むケースも登場している。貸金業というと莫大な資金がなければできないという印象が強いが、実際には3百万円程度の資金を効率的に回転させていくことからスタートさせていることが多い。

無登録で貸金業を行えば、それは非合法のヤミ金融ということになってしまうが、正式な手続きを踏んで合法的な金利の範囲内で融資をするのであれば、必ずしもそれが“悪”というわけではない。歴史をさかのぼってみても、金の貸し借りはいつの時代にも行われてきたことで、それが姿形を変えて今の銀行にまで成長してきたのだ。そして、金の貸し方・借り方は時代と共に進化して、最近では無人契約機やインターネットから、担当者と対面せずに気軽に利用することができるようになった。そして欧米ではさらにWeb2.0型ともいえる新たなオンライン個人金融サービスの動きが出始めている。
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この記事の核となる項目
 ●個人でも開業することが可能な貸金業
 ●消費者金融サービスの収益構造
 ●自動契約機からインターネット金融へのシフト
 ●消費者ローンの申込チャネル別新規契約者のシェア
 ●個人間の金貸しを仲介するオンライン個人金融のビジネスモデル
 ●P2P型オンライン個人金融の仕組み
 ●入札方式で貸出金利を決める個人金融サービス
 ●ネットの力が切り開く新たな貸金業のスタイル
 ●消費を牽引するローン事業の台頭と住宅ローン改革への商機
 ●貧乏人ほど高い買い物をすることになる金利マジックの話


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