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社長よりも高収入を稼ぐ
スペシャリスト職の台頭と報酬体系
written in 2006/9/27

 「企業にとって従業員は貴重な財産である」という言葉があるが、これには賛否両論がある。有能な社員がいなければ会社が機能しないことは間違いないが、生身の社員は打算で会社を裏切ることもあって、機械のように忠実に働き続けてくれるわけではない。もっとも会社側でも不要になった人材は切り捨てているから、双方は利害関係で結ばれた“したたかな関係”といえるのかもしれない。

最近ではヘッドハンティングによる優秀な人材の引き抜きも増えて、会社と社員との関係は以前にも増してシビアなものになっている。自分の資質を高く評価してくれる“買い手”が現れれば、それがライバル会社であっても転職を決意するという人は少なくない。しかしヘッドハンティングされた転職者のその後は、意外にも不幸な末路を辿っていることが多い。スカウトした企業では、その人自身ではなく、その人が持つノウハウや人脈に魅力を感じているため、入社から数年でそれを吸収してしまうと、その後も高年俸を払い続ける必要性はなくなってしまうのだ。プロ野球のフリーエージェント制と同様に、金銭的な条件だけで移籍をしてもなかなか上手くいかないのが実態のようだ。

そこには日本人の気質も影響しているが、できることなら最初に勤めた会社との関係を長期的に維持しながら、自分の実力が正当に評価される仕組みが望ましい。経営者の立場でも、有能な人材にはできるだけ長く戦力として働き続けてもらうことに異論はない。

そんな経営者にとって朗報なのは、十年前と現在とを比較してある変化が生じているということだ。それは、優秀な人材だからといって必ずしも独立志向が高いというわけではなく、サラリーマン(会社員)という立場は維持したうえで、自分の専門性を追求していったほうが賢いという価値観が生じてきている点だ。

その背景には、独立開業費用が高騰している状況がある。店舗を作るにしても最近では1千万円の資金では大したことはできず、顧客からの注目を集めるには1億円程度の資金が必要になる。それを個人の力だけで賄うことには無理がある。たとえ自分に専門職(スペシャリスト)としての高いスキルがあっても、資金繰りをする経営者としての手腕はまた異なる部分だ。その点を踏まえると、会社経営者と専門スキルを持つスペシャリストとは、従来の雇用と労働という関係から飛躍した新しい協業の形を築くことができる。そこにあるのは、経営者と対等の立場で渡りあえるスペシャリスト職の存在だ。
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この記事の核となる項目
 ●美容業界にみる経営者とスペシャリストの関係
 ●年収1千万円を超す人気美容師の給与体系
 ●美容室経営の採算構造と人件費の捉え方
 ●独立開業よりも完全歩合制による高収入の道を選ぶ医師業界
 ●名医探しが加熱する医療業界の新ビジネス
 ●独立開業するよりも名医としての勤務医を目指すことの損得勘定
 ●欧米で成長する名医のランキングと紹介サービス
 ●意外な仕組みで稼ぐ名医調査会社の収益構造
 ●医師の世界にもある歩合給制度の実態
 ●サラリーマンから脱皮した個人請負スペシャリストの働き方
 ●委託契約型のスペシャリストを採用した店舗経営
 ●保険セールス業界におけるトップセールス資格
 ●個人で開業する生命保険代理店の手数料体系と収益構造
 ●レジとコンビニ店員に特化した業務請負サービスにみる新市場
 ●フリーへと転身するプロの営業職とセールスレップ業界の動向
 ●生命保険業界にみる歩合給外務員の営業戦術と実力主義の弊害


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