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  「複合カフェ」は時間制でインターネットやマンガ本を自由に楽しめる新業態として全国的に増えている。これは空間の時間貸しという点で従来の飲食店ビジネスとは異なる採算構造になっている。
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空間の時間貸しサービスとして成長する
複合カフェ経営の採算性
written in 2006/7/1

 日本に新業態としてカラオケボックスが登場したのはバブル華やかな1980年代のこと。それからカラオケボックスは全国に広がり、今でも安価で楽しめる娯楽施設として根付いているが、ビジネスとしてのライフスタイルはピークを過ぎている。その後に登場してきたのが、インターネット喫茶やマンガ喫茶であるが、こちらは開業資金の面で参入障壁が低いこともあり、全国に同じ業態の店が瞬く間に広がった。しかし新しい店ほど規模が大きく、設備も充実していることから、古い店は開店から数年で淘汰されていく厳しさがある。そして最近では、マンガ、インターネット、シアタールーム、カラオケ、ビリヤードなど、多種類のインドア系レジャーを同じ施設内で楽しめる“複合カフェ”が人気となっている。

これら新旧の娯楽施設に共通しているのは、顧客が店内に滞在している時間数によって課金するビジネスであるという点だ。スペースの中で快適に過ごせる娯楽アイテムや設備を提供して、顧客が長時間過ごしてくれるほど儲かるという仕組みだ。これは従来の喫茶店のように「コーヒー一杯で長時間粘られては困る」という商売とは逆の発想によるものだ。

複合カフェに来店する客の多くはリピーターであるため、固定客の数が増えれば滞在時間に連動した安定売上が期待できるのが魅力。そのため長い間、飲食業や小売業に携わってきた業者の中でも、既存の店舗を閉めて複合カフェへと転業しようとするケースが増えている。「物を売る」のではなく「時間を売る」という複合カフェのビジネスモデルは、既存のあまり儲からない商売に疲弊した経営者にとって魅力的に写るようだ。しかし、複合カフェが「時間を売る」ためには、それ相応の設備投資が必要になってくる。そこで、顧客に快適な時間を過ごしてもらうことをテーマとした複合カフェの経営状況について掘り下げてみたい。
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この記事の核となる項目
 ●飲食店の域を超えて進化する複合カフェの業態
 ●複合カフェの設備投資額と採算性
 ●複合カフェの経営指標
 ●複合カフェの滞在時間と著作権問題
 ●書店よりも儲かるレンタルコミックサービスの採算性と問題点
 ●モノ売りから時間売りへの転換〜時間消費型サービスの視点
 ●"売る"から"貸す"への転換で収益を向上させるレンタル事業
 ●介護用品レンタル市場における価格差のカラクリと業界構造
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