儲かる商売の裏側
  
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  消費の伸び悩みが深刻化する一方で、個人投資家の活動が活発化している。ここで注目しておくべきは「消費者」と「個人投資家」とが同一人物であるという点。現代の消費者は無駄な買い物はしない一方で、将来につながる出費に関しては“投資”として財布の紐を緩める傾向がみられる。
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株式投資で一攫千金を狙うデイトレーダーの
急増で潤う関連業界
written in 2004/10/28

 株式市場は昨年から上昇軌道へと転じて活況だが、その背景には個人投資家の旺盛な投資意欲があると言われている。超低金利の時代に少しでも効率の良い資金運用先を探そうとする動きと、オンライントレードの普及によって煩わしい手続きなく株の売り買いができるようになったことで、個人の保有している資金が株式市場へと流れているのだ。

2004年4月以降は株式売買高(東証一部)が一日で1兆円を超える日が87日連続となる記録を作り、個人投資家の売買代金は78兆円にもなった。これはITバブルと呼ばれた2000年頃の売買代金を上回る規模であることから、現在はまさしく「個人投資家の時代」といえる。

その好影響を受けて、オンライン証券会社では軒並み高収益を上げている。証券会社の収益構造は、会員顧客(投資家)の株式売買取引に対する手数料収入が主となるために、売買取引高が大きくなるほど儲かる仕組みである。しかも証券会社の機能がネット対応したことで、証券マンが無理な営業をして株を売らなくとも、投資家が自らの情報収集と判断によって日夜、売買のオンライン注文をしてくれる。

オンライン証券会社の業績は株式市況の情勢に左右される危うさはあるものの、現代のネットビジネスの中では、個人ローンなどのファイナンス事業に並んで収益性の高いビジネスと捉えられている。売買取引手数料などの営業収益から、人件費や広告費などの経費を差し引いた営業利益率は50〜60%という水準。これは商品を仕入れて販売する形態のeコマース事業とは比較にならないほどの高収益体質であることを意味している。そのため、楽天やライブドアなどM&Aを得意とするネット企業ではオンライン証券会社を自社グループの傘下に置くことによって収益性を高めている。

消費者に対しては商品を販売することが年々難しくなっている一方で、個人投資家の投資意欲が急速に高まっている動向は、消費者と個人投資家とは同一人物であることに気付けば、他業界の経営者にとっても大きな商機として捉えておくべきだろう。
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この記事の核となる項目
 ●1400兆円の個人金融資産は“消費”でなく“投資”へ動く流れ
 ●株式投資で一攫千金を狙うデイトレーダーの急増で潤う関連業界
 ●個人投資家を育成するトレーディング教育サービス(海外事例)
 ●オンラインでおこなう投資顧問業の可能性について
 ●投資顧問業の登録申請とオンラインサービスの立ち上げ
 ●影響力を高める個人投資家の力に着目した新たな投資商品の開発
 ●個人投資家が集まる投資クラブの新しい動き
 ●個人投資家が物色する株式以外の新たな投資対象とは…
 ●貧富の差が広がる世の中でなかなか正体を現さない富裕層の影
 ●プレミア相場の陰で損をする消費者と本物のコレクション投資


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JNEWS LETTER 2004.10.28
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