玄関ドアに設置できる宅配荷物受け取り用のバッグとして開発された「置き配バッグOKIPPA」は、宅配ボックスを設置するよりも安価なコストで、宅配便を無人で受け取る環境を構築できる。
宅配便再配達問題を解消する「置き配バッグOKIPPA」

2018/6/4

 宅配便の再配達問題が指摘される中でも、宅配ロッカーの普及は依然として進んではいない。公共の宅配ロッカーは荷物の受け取りが面倒になるし、自宅用の宅配ボックスは設置するためのスペースと設置費用の高さがネックになる。そこで「置き配バッグ」というユニークな商品が開発されている。

物流系ITベンチャーのYper(イーパー)株式会社が開発した「置き配バッグOKIPPA」は、玄関ドアに設置できる宅配荷物受け取り用のバッグと、専用のモバイルアプリが連動することにより、宅配ボックスよりもリーズナブルに、宅配便を無人で受け取ることができるようになっている。

置き配のために開発された専用バッグは、折り畳んだ状態で玄関に吊り下げておくことが可能で、宅配員がバッグを展開すれば120サイズの大きさになり、宅配会社の大箱と平箱を重ねて収納することができる。盗難防止策としては、玄関口に固定するOKIPPA専用ロックと、内鍵としてダイヤル式の南京錠が付属しており、雨対策としての撥水加工もされている。価格はバッグと専用ロック、南京錠のセットで3,980円の設定。

また、OKIPPAユーザーに無料で配布される専用アプリ(iOS/Android)では、荷物到着の通知機能と、Amazonと楽天の通販サイトで購入した商品の配送状況を一元管理できる機能が用意されている。

置き配バッグOKIPPAは、2018年4月17日からクラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売をしたところ、3週間で1,000人以上の購入予約を獲得。自社サイトへの直接問い合わせを含めて、2018年5月末の時点で2,000件が売約済みとなっている。購入者の中には、賃貸アパートの経営者もいて、入居者全室にOKIPPAを配布することを計画している。
置き配バッグであれば、宅配ボックスよりも低コスト(設置費用と電気代)で、共有スペースを専有することなく、宅配便の受け取り環境を整備することができる。

置き配バッグOKIPPAの開発元である、Yper(イーパー)株式会社は、2017年8月の設立。代表者の内山智晴氏(1985年生まれ)は、京都大学大学院、地球環境学舎を修了後、伊藤忠商事に入社。約5年間半、航空部署にて航空機の機体販売、機体の改修事業の営業を担当した後に、Yper の事業内容は、学生時代と前職で海外に滞在した経験から、日本の物流システムのレベルの高さに関心を抱いており、そんな日本の宅配便にも、再配達率の高さが深刻化していることから、この問題を解決することを事業テーマに選んでいる。

置き配バッグOKIPPA

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