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デジタル資産化されるNFTアートとバーチャルペットゲーム

JNEWS会員配信日 2021/5/19

「Non-fungible token（NFT：非代替トークン）」は、デジタルで記録されたビデオ、写真、グラフィックなどの電子ファイルに、所有者の権利（所有権）を記録できるテクノロジーで、ブロックチェーンの暗号技術がベースになっている。

NFT付きのデジタルアート作品は、PCやタブレットのディスプレイ上で楽しむことができる他、印刷して鑑賞することもできる。「この作品を誰がいくらで購入したか」という履歴も、改ざん不可能な状態で記録されるため、現在のオーナーが二次的にダウンロードできる許諾を与えることでライセンス収入を稼いだり、次のオーナーに売却して値上がり益を得られる期待もある。

既に海外では、美術品、イラスト作品、ゲームキャラクターなどををデジタル権利化したNFTアートが出品されはじめて、高値で取引されるようになっている。

　従来のアナログ作品と比較した、NFTデジタルアートの利点は、所有権の管理が強固に行えるため、真贋鑑定の手間とコストを省いて作品の権利売買が円滑に行えるようになることや、火災や水害によって作品が被害を受けるリスクが無い。
またオンライン上のデータによる流通ができるため、希少性の高いNFTアートは、値下がりリスクの少ないデジタル通貨としても活用されていく可能性が示唆されている。

具体例として、「CryptoKitties（クリプトキティ）」というバーチャルペットのゲームが、仮想通貨ユーザーの中では人気化している。ゲーム上では、様々なキャラクター（遺伝子属性）のクリプトキティ（仮想猫）が販売されており、それをイーサリアムで購入して、他の猫と交配させることで、同系列の遺伝子を引き継ぎながらも、少しずつ属性が異なる猫をコレクションしていく。自分の猫は、マーケットプレイス上で「交配する権利」を販売したり、所有権を譲渡して収益化することができるが、突然変異で生まれた珍しい遺伝子属性の猫は、レアキャラクターとして高値で取引されている。

2017年からスタートしたこのゲーム上では、10万人を超すユーザーが100万匹の仮想猫を所有しており、遺伝子属性（猫の容姿、目の色、毛の色、口の形など）の違いによって1匹あたりが、5ドルから30万ドルの価値で取引されている。仮想猫の所有権はNFTで管理されているため、他人に盗まれたり消滅する心配はなく、暗号資産としての価値を持ち始めている。

クリプトキティを運営するゲーム会社のビジネスモデルは、これまでに１度も交配されたことのない第０世代のバージン猫をユーザーに対して販売することと、ユーザー同士の猫を交配する「交配権」の取引と、猫の売買を仲介するマーケットプレイスを運営することにより、取引額の3.75％を徴収する収益構造になっている。

■CryptoKitties（クリプトキティ）
■交配のイメージ映像

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■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2021.5.19
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