短時間正社員は、社会保険が適用される正社員の立場は維持したまま、週4日や週3日勤務ができる働き方として、厚生労働省も普及を進めている。育児をする女性社員の他、副業と会社勤めを両立させたい人にとっても有効な働き方として注目されている (JNEWSについてトップページ
短時間正社員制度を活用した働き方改革と人件費軽減策

JNEWS
JNEWS会員配信日 2020/10/13

 これまでのサラリーマン社会では、2つの会社と雇用関係を結ぶ「2重就職」は不適切な行為として扱われてきたが、それは利益相反の観点から、会社が就業規則の中で独自に定めたものである。しかし、働き方改革が進む中では、2重就職を容認する風潮が高まってきている。これは、人件費を削減したい企業側の思惑ともリンクしている。

年齢階層別にみると、日本の大企業は、50代以降の社員に最も高い給料を払っているが、彼らが若手社員よりも高いパフォーマンスを上げているとは限らない。
さらに、定年が延長される中では、総人件費を抑えながら雇用を維持できるように、賃金体系を見直していく必要がある。

《年齢別の平均給与額(年収)》

多くの大企業では、55歳前後で役職から外されて年収は下落傾向となり、やり甲斐の少ない仕事で定年までを待つことが既定路線になっている。それでも、出勤は毎日しなくてはいけないため、会社にとっても社員側にとっても、有効な時間と人件費の使い方とは言い難い。

そこで新たな就業制度として注目されているのが、短時間正社員制度の仕組みだ。
これは、社会保険が適用される正社員の立場は維持したままで、週5日(週40時間)のフルタイム勤務から、週4日や3日の勤務に移行することで、他の日は副業や自己啓発に使うことを容認するものだ。厚生労働省でも、導入マニュアルを作成して、短時間正社員制度の普及を推進している。

短時間正社員制度の導入マニュアル(厚生労働省)

【短時間正社員の報酬体系】

 短時間正社員は、フルタイム社員と同等の条件で賃金も計算されることが法律で定められている。たとえば、フルタイム(週40時間労働)の基本給が月額30万円の社員が、本人の希望により週4日勤務(週32時間)になった場合には、フルタイムの8割で月額24万円になる。これは、時間単価でみると同等の扱いだ。

実収入では、2割の基本給ダウンとなるが、成果報酬のオプションも加えることにより、仕事の実績によってはフルタイムと同等か、それ以上の収入が稼げるようにすることも可能だ。会社側では、短時間勤務+成果報酬により、社員の仕事に対するモチベーションは下げずに、基本給ベースの固定費を下げることができる。

《短時間正社員の賃金体系》

○フルタイム(週40時間労働)の基本給……月収30万円

○週4日勤務(週32時間)=基本給30万円×80%+成果報酬
○週3日勤務(週24時間)=基本給30万円×60%+成果報酬

もともと、短時間正社員制度は、育児中の女性社員向けに考案されたものだが、最近では、資格取得の勉強時間が欲しい中堅社員や、働き詰めの生活を見直したい中高年社員向けにも活用されるようになっている。

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