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成功者が究極の目標にする
ワイナリー経営のステイタス
written in 2009/11/24

 ビジネスの最前線で長年活躍し、相応の実績や資産を築いた人が現役をリタイヤした後、第二の人生として興味を抱くテーマとして最も人気が高いのは「農業」である。人間は「土から生まれて、土に還る」と言うが、年齢を重ねるほど土が恋しくなるというのは確かにあるようで、定年を迎えた団塊世代(680万人)の中で、余暇の過ごし方として、家庭菜園や市民農園での野菜作りを希望する潜在人口は約4割と見られている。

この市場を狙っては、カセットボンベを燃料とした家庭菜園用のミニ耕耘機がホンダや三菱農機から発売されて、年間目標を上回る売れ行きとなっている。また家計消費状況調査の結果をみても、高級品や贅沢品を買いたいという気持ちは薄れて、庭や植木の手入れなどへと関心が移っていることがわかる。

《分野別にみた消費の推移(2007年→2009年)》
    ・自動車(新車)…………▲12.4%
    ・家具(たんす類)…………▲33.4%
    ・紳士用背広…………▲48.5%
    ・婦人服…………▲21.7%
    ・パソコン…………▲37.1%
    ・国内旅行…………+ 1.0%
    ・海外旅行…………▲15.1%
    ・庭、植木の手入れ代…………+ 6.4%
    ・携帯電話使用料…………+ 1.0%
    ・インターネット接続料…………+ 8.8%

    ※出所:家計消費状況調査(総務省)

土への回帰は日本だけの現象ではなく、米国でも特に上流層を中心に家庭菜園のブームが起こっている。オバマ米大統領のミシェル夫人も、ホワイトハウス内の一角に 100平方メートル程の有機菜園を設けて野菜を作る姿を披露していることもあり、何らかの形で園芸や農業に関わることが“エコステイタス”としてみられる風潮が出始めているのだ。

そこから派生して、現役を引退した老経営者の中では、農園オーナーとなることを次の起業テーマにする人達もいる。農業が儲かる事業ではないことは承知の上で、こだわりのオーガニック栽培に、残りの時間と私財を費やすことが生き甲斐であり、社会貢献という価値観である。

ただし長年培ってきた経営者としての経験と知識はあるため、“儲からないままの農業”ではなくて、効率的な生産技術を開発したり、収穫した作物の販売マーケティングにも独自の工夫をする。必ずしも、自分が農作業に従事するということでなくても、自分の農園を持ち、経営することが、欧米の成功者にとって究極の目標になっている。

その典型例と言えるのが、ワインの世界である。欧米では自分のワイナリーを経営することが、成功者としての証であり、最高の栄誉と言われている。世界で最高のワイン生産国と評されるフランスには、有名なワインが多数あるが、その評価はブドウの産地によって決まり、特定の狭い地域で収穫、醸造されるワインほど価値が高い。そのためブドウ農場やワイナリー(醸造所)は小規模な家族経営が基本である。それを世界のワイン愛好家や起業家が支えることで、味わい豊かなワインが生み出されている仕組みからは、これからの農業に関わることをステイタスとした、理想的な食農ビジネスのモデルを学ぶことができる。
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この記事の核となる項目
 ●家庭菜園から農園オーナーになるという発想
 ●ワイナリーの資産価値と流動性について
 ●ワインの価値が決まる業界構造とスペシャリストの役割
 ●政治にも使われる高級ワインの価値
 ●ブドウ生産からみた安いワインと高級ワインの違い
 ●なぜフランスワインは世界で最高なのか?
 ●世界のワイン相場を決めるスペシャリストの存在
 ●趣味と実益を兼ねたワイン先物取引に学ぶ食農ビジネス
 ●ワインの先物買いとストレージクラブ
 ●プリムールによるワイン購入の流れ
 ●アルコールに変わる水商売としてのミネラルウォーター市場
 ●ヤワな日本人には太刀打ちできない一触即発の食糧危機
 ●江戸時代の石高制度に学ぶ、市民農園を収益化する発想
 ●おもてなしのプロ人材が求められる理由とソムリエの算盤勘定
 ●農業起業を成功させる視点と知的財産化する農作物の権利争い


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