電気自動車(EV)の購入世帯は、戸建住宅が9割、マンションやアパートなど集合住宅が1割と大きな偏りがある。集合住宅では充電設備の整備がネックとなり、EVの普及によりマイカーの所有形態が大きく変わっていくことも予測される。
EVマイカーの所有形態と賃貸物件向け新事業

JNEWS会員配信日 2017/9/27

 EVの充電インフラを整備する上での課題としては、アパートやマンションなどの共同住宅に住む人への対策もある。EVは自宅での基礎充電が主体となるが、共同住宅では自分専用の充電設備を置くことが難しい。経済産業省の調査でも、実際にEVを購入した人の内訳は、9割が戸建住宅で、共同住宅は1割という大きな偏りがみられる。

日本の住宅事情は、戸建60%、共同住宅40%となっており、都会になるほど共同住宅の割合は高くなるため、EV革命は自動車の所有形態が大きく変わる転換点ともいえる。

2017年にロサンゼルスで創業したばかりの「envoy」は、賃貸アパートのオーナーや高級マンションを開発する不動産業者向けに、電気自動車(EV)のカーシェアリング・プラットフォームを提供することを目指している。物件の駐車場をEVの充電ステーションとして、入居者に限定したカーシェアリングのプログラムを運用する形だ。


EVの車両には、人気車種の「Fiat500e」または「e-Golf」が使われる予定で、車両の購入と充電設備の管理、保険加入などはすべてenvoy社が担当する。EVのレンタルを利用する入居者に対しては、1分あたり25セント、または1時間15ドルの課金が基本だが、月額固定の会費を払うと1時間あたりの料金が安くなったり、家賃の中にカーシェアリングの会費を含めるプランを導入することも可能だ。

物件オーナーに対しては、入居者限定のカーシェアリング事業で得られる収益の5~10%を分配する仕組みで、このプログラムを普及させようとしている。

民間が行う賃貸物件向けカーシェアリングでは、車両を含めた設備コストと、利用者から得られる売上の採算が重視されるため、総入居者数に対するシェアリング車両の台数は少なく、100世帯につき1~3台の車両を共有するケースが多い。
これは、すべての世帯がマイカーからシェアリングに移行することを想定したものではないため、月に1~2回程度しか車を利用しない人の中から、徐々にシェアリングへの移行が進むとみられている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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