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遠隔からの常時監視によって実現させる
環境モニタリング
written in 2003/2/5

 損害保険業界では「環境賠償保険」が新しい商品として注目されている。企業がおこなう経済活動によって、土壌や地下水、人体の健康を損なうような環境汚染が発生した場合には、企業側が多額の賠償責任を負うことになることから、保険加入によってリスク対策をしておこうとする動きだ。

“訴訟大国”米国では「環境問題」までが歴としたビジネスとして成立している。環境問題に詳しい弁護士や専門家達による環境訴訟の専門家集団も存在していて、大手企業から多額の賠償金を勝ち取っているケースもある。最近では、NPOやNGO組織として活動する環境保護団体が、企業の活動を監視していることもあって、企業側も「環境汚染」については以前よりもかなり神経質に対策を講じるようになっている。

環境関連の法制度が異なる日本では、米国ほどではないにしても、マスメディアによる報道が発端となって環境汚染の実態が暴露され、企業が信用を失って業績面でも深刻な影響を受けることも想定される時代である。そこで、問題を起こす前に、企業自身が十分な環境管理をしていこうという風潮が高まっている。

《環境問題と環境測定技術の関係》

 日本で環境問題がはじめて問われるようになったのは、1890年代に起こった「足尾銅山鉱毒事件」だと言われている。当時の衆議院議員、田中正造が鉱毒公害を政府に追及したなかなか報われず、被害発生から80年後の1970年代なってようやく鉱山を経営していた古河鉱業が公害の事実を認め、損害賠償を支払うことに同意した話は有名だ。

当時の環境被害が、これほど長い期間解決されなかった一因には、証拠となる環境汚染の実態データを正確に測定できる技術がまだ未発達であった点が挙げられる。その後、日本でも「大気汚染防止法」「水質汚濁防止法」「悪臭防止法」「騒音防止法」などが制定され、環境中の有害物質や騒音を測定・分析する技術は飛躍的に進歩した。

環境に関する法律が整備されることで「環境対策」という新しい市場が生まれ、その測定や対策に関連した機器が登場してくるが、これら環境関連機器には特許技術が数多く含まれている。つまり環境保全を重視する時代に向けて、「新しい環境測定や管理の手法」をいち早く考えることは、莫大な利益を生み出すことも可能な“穴”的な分野である。
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この記事の核となる項目
●環境モニタリングという新市場
 ・環境モニタリングが必要となる環境対象とは
●リアルタイム化を目指す環境モニタリングビジネス
●ワイヤレスネットワーク化する環境モニター機器への着目
●屋内空気汚染対策で成長する空気ビジネスの米国最新動向


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JNEWS LETTER 2003.2.5
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