JNEWS会員配信日 2013/10/22
事例:zenmono
モノ作り(製造業)での起業を支援するクラウドサービスとして、米国では「キックスターター」が成功していることは、何度となく取り上げているが、日本でも、スモール製造業の立ち上げを、資金とノウハウの両面からサポートするビジネスが登場している。「zenmono(ゼンモノ)」は、2013年5月からスタートしたサイト。
■zenmono(ゼンモノ)
http://zenmono.jp/
町工場の経営者や、メーカーとしての起業を目指す者が、制作したい商品のアイデアを投稿、審査を通過した「プロジェクト」がサイト上に掲載され、資金の提供者(パトロン)を募集することができる。さらに、資金獲得後の制作段階での協力者(工場、デザイナー、エンジニア、販売店)をサポーターとして募集できるのが特徴。パトロンやサポーターに対しては、商品完成後に、何らかの“お礼”や“お返し”をするのがルールだ。
zenmonoを立ち上げたのは、富士通と、自動車メーカー「スズキ」出身の2人組で、自身がメーカー企業で培った経験から、プロジェクトの立案者には、具体的なアドバイスや指導を行うことにより、同サイトからクオリティの高い製品を生み出そうとしている。
たとえば、プロジェクト掲載にあたっては、必要とする開発資金の見積もりが厳格に計算されている。それにより、パトロンからの信頼を高めると共に、資金調達後の実行計画も立てやすくなる。
今年5月末からのスタートではあるが、既に2件のプロジェクトが資金調達に成功している。1件は『くるくるパンプアップ』という、超軽量の筋肉トレーニンググッズで、現役のプロキックボクサーでもある、町工場の経営者が考案したものだ。
■カワイイ筋肉育成グッズ『くるくるパンプアップ』
http://zenmono.jp/projects/1
※資金調達額: 1,021,000円。
もう一つは、バネ工場の三代目経営者が、高付加価値型のオリジナル商品として考案した、金属バネブロックの『SpLink(すぷりんく)』。バネのパーツを組み合わせることにより、様々な模型やアート作品に仕上げることができる。
■ワクワクでつながる金属バネブロック『SpLink(すぷりんく)』
http://zenmono.jp/projects/4
※資金調達額: 550,500円。
同サイトは、資金調達がしやすい製品企画の特徴として、人々はモノに共感するのではなく、そのものを生み出したヒトやその思いに共感すると考えており、プロジェクト立案者の人生経歴や、個性が反映されるような紹介がされている。
JNEWS LETTER 2013.10.22
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
|