JNEWS会員配信日 2013/10/14
事例:アイ・ツー・アール
明治大学商学部の学生が、2003年1月に起業したアイ・ツー・アール株式会社では、東京都内の大学(一橋大、中央大、明治大、東京外語大など41校)に在籍する
約100名の学生を組織化して、高齢者を主なターゲットとした、パソコン家庭教師、IT支援サービスを訪問型で行っている。
依頼者は、同じ地域に住んでいて、希望にあった学生をインストラクターとして紹介してもらい、初回の面談でお互いの相性を確認した後、継続的な指導を受けることができる。
通学型のパソコン教室と比べると、パソコンの設定、フリーアドレスの登録方法、オンラインでの買い物など、自分がわからないことをピンポイントで教えてもらうことができるため、高齢者から好評とのこと。また、ソーシャルメディアを使ってみたいという高齢者に向けて、「Facebook で自分史を作る」というコース
も用意されている。
家庭教師の料金は、レッスンの都度払いコースが 5,000円(1回2時間)、2時間×4回のレッスンをセットにした「4回一括払いコース」が19,000円の設定で、依頼者宅までの交通費は請求していない。
■アイ・ツー・アールのパソコン家庭教師
http://i2r.jp/mmc/
代表者で明治大学4年の糸井さんが、この事業を立ち上げた経緯は、彼女のお祖母さんが、足の具合が悪くて、洋服などを店へ買いに行くことができず、通販での注文手続き代行を、いつも申し訳なさそうに頼むのを、快く引き受けながら、そうした高齢者こそ、ITの力が必要だと感じたことが発端になっている。
米国でも、高校生や大学生のスモールビジネスとして、高齢者向けのIT支援サービスが成功している例は多いが、世代にすると「孫と祖父母」の関係に近いため、信頼関係が築きやすいという特徴がある。
なお、IT家庭教師サービスでは、教師役(インストラクター)人材の組織作りと、研修用カリキュラムなどを構築することが重要になるが、同社では、フェイスブックのグループ機能とメッセージ機能を利用して、インストラクターとの連絡網を作り、オリジナルで作成した教材(PDF版)をグループ共有している。それにより、ローコストでの組織運営を実現している。
JNEWS LETTER 2013.10.14
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