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食糧危機に備えたフードサプライチェーン変革の商機

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JNEWS会員配信日 2022/3/30

 ウクライナ危機が勃発して以降、小麦の国際取引価格は数日間で1.6倍にまで高騰した。その後の相場は落ち着きはじめたものの、2~3割高のまま推移している。昨年は米国、カナダ産の小麦が高温乾燥によって不作になっていたところへ、ウクライナ、ロシア産小麦の調達も期待できなくなり、世界的な混乱が起きている。

《世界の小麦輸出量シェア(2020年)》

日本では、国内で消費する小麦の9割を、他国からの輸入に依存している。小麦はパン、麺類、菓子などの原料となる重要な食材であることから、日本政府が輸入小麦を買い付けて、製粉会社に売り渡す制度が法律によって整備されている。
そこから製粉メーカーが小麦粉を製造して、食品工場や一般家庭に流通していく仕組みだ。

日本政府は、直近6ヶ月間の平均買付価格を基準とした、小麦の政府売り渡し価格を年2回更新しているが、令和4年4月期の価格は、6ヶ月前との比較で17.3%の値上げが決定している。そのため、国内で販売されるパン、うどん、ラーメン、パスタなどの価格も、数ヶ月のうちに値上げされることは確実である。

輸入小麦の政府売渡価格の改定(農林水産省)

《輸入小麦の流通構造(日本国内)》

コロナやウクライナ危機の影響により高騰している食材は、小麦の他にもトウモロコシ、大豆、果物、野菜、水産物など広範囲に及んでいる。関連の食品メーカーや飲食チェーンでは、原材料の値上がり分を小売価格に転嫁しなくてはいけない状況だが、これを逆にチャンスと捉えて、仕入れ、物流、在庫管理までを含めたサプライチェーンの見直しに商機を見いだそうとしている。この背景には、インフレの影響だけではなく、環境や健康への配慮によって、消費者の食生活や価値観が変化していることもある。

食品業界は、農産物や家畜を原材料として扱うことから、労働集約的な作業が多く、デジタル化が遅れているため、ハイテク企業が参入できる余地も大きい。フードサプライチェーンの変革は、「収穫量の予測」「生産工程の見直し」「流通経路の改善」「食材歩留まり率」などの面から、新たなソリューション(解決策)を開発することで、食品の取引価格を下げることが検討されている。今回のレポートは、それらの動向から、今後の食品ビジネスがどのように進化していくのかを考えていきたい。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・ファーストマイルの食材モニタリング市場
・小麦農家の収益を改善するテクノロジー
・生鮮食品の劣化時間を予測するデバイス
・ブロックチェーンによる食品取引の仕組み
・コーヒー豆業界で深刻化する産地偽装問題
・コーヒー豆の産地認証をするテクノロジー
・食肉の歩留まり率を高めて収益改善する視点
・人材教育で歩留まり率を高めるAIシステム
・肥料不足で食品価格が高騰するシナリオ
・日本国内で進められる肥料製造の規制緩和
・廃棄食材を有機肥料に変えるビジネス
・牛肉が食べられなく時代の代替肉開発とメタン削減
・コロナ危機で生じる食糧問題の特徴と新フードビジネス
・飲食業のビジネスモデル転換を促す、未来の食事スタイル

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