スーパー業界では「売り場」を持たないダークストが登場して、既存店舗の商圏を奪い始めている。その正体は地域商圏をターゲットとした「マイクロフルフィルセンター(MFC)」と呼ばれるデリバリー専門の物流施設となっている(JNEWSについてトップページ
スーパーマーケットが業態転換するダークストアの正体

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JNEWS会員配信日 2021/4/15

 アマゾンで買い物をすると、標準的な地域では1~2日以内に商品が届く。一方、楽天やヤフーショッピングに出店しているショップでは、短くとも3~4日後の到着となり、アマゾンとの間では明らかな差が生じている。これは、物流拠点の開発に大きな違いがあるためである。

アマゾンは、日本全国に物流拠点を整備して、翌日配送を実現させている。全国に21カ所あるフルフィルメントセンター(FC)では、メーカーや販売業者から仕入れた膨大な商品が“在庫”として保管されている。倉庫内では独自開発された物流ラインが稼働しており、倉庫スタッフとロボットが協業しながら、年間4億点を超す商品の在庫管理~出荷作業をしている。

注文された商品をピッキングする作業は労働集約的なものだが、物流システムを構築する上で、様々な工夫がされている。たとえば、同じ商品を倉庫内にストックする場合、1ヶ所に保管するとピッキングの移動距離が長くなり、ロスタイムが生じてしまう。そこで、倉庫内の異なる棚に分散保管して、スタッフの現在地から最短距離にある在庫がナビゲートされる機能が構築されている。

アマゾンでは「家電製品」「キッチン用品」「事務用品」のように、カテゴリー別に保管場所を決めるのではなく、注文される確率が高い商品の組み合わせをAIが分析した上で、最短時間でピッキング作業ができるように保管位置が最適化されている。

■アマゾン・フルフィルメントセンター紹介映像(ANN news)

《アマゾンの商品管理~発送経路》

コロナ禍では、巣籠もり消費によってeコマース利用率が高まり、ネットで生鮮食料品を購入する消費者も増えている。大手スーパーチェーンでもネットスーパー事業を軌道に乗せることが生き残りの鍵となり、アマゾンの配送システムが研究されている。

1日に数百件規模のオンライン注文を受け、当日または翌日までの配送を実現させるには、店舗業務と並行しながらネット宅配を行うのではなく、eコマース専用施設で効率的なオペレーションをしていく必要がある。イオングループは、千葉市緑区誉田町にネット専業の施設(2万7500平米)を2021年春から建設して、5万品目以上の食品や生鮮品をオンライン販売することを目指している。イオンはこの施設が成功すれば、「イオンネクスト」というネットスーパーの新業態として、全国に同様の施設を増やしていく計画だ。

イオン次世代ネットスーパー事業(2023年開業予定)

海外でも、既存のスーパー店舗からeコマース専業施設へ転換することが、小売業の新たなトレンドとして浮上してきている。これらの施設は、消費者の来店は受け付けずに、住所も正式には公開されていないことから、「ダークストア)」と呼ばれて、欧州や米国に広がっている。

2017年にアマゾン傘下となった、米スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ」は、2020年9月にニューヨーク・ブルックリンで古い倉庫を改装したダークストアを開業したことから、他のスーパーチェーンでもeコマース専業施設を開業する動きが相次いでいる。この動向については、小売業だけでなく、物流業界や不動産業界にとってもビジネスチャンスが生まれている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・即日配送を実現するダークストアの正体
・コロナ禍で変化する食料品の買い物習慣
・マイクロフルフィルメントセンターの機能と役割
・ロボットが活躍する未来スーパーの形
・ネットスーパーの事業構造と採算性について
・不動産投資としてのフルフィルメント物件
・米国で開発される2時間以内配達サービス
・即日配達で売上が伸びる商材の特徴
・即日配達サービスの商圏と人口カバー率の関係
・飲食店舗を捨てたゴーストキッチン転換のビジネスモデル
・ドライブスルーを進化させたカーブサイドピックアップ
・返品対応を円滑にするクリック&コレクトの新業態開発

この記事の完全レポート
JNEWS LETTER 2021.4.15
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