地域のゴミ置き場からコロナ感染のクラスターが発生する事例が増えてきたことで、各自治体のゴミ回収ルールが見直される方向にある。ゴミ回収の有料化をして料金を高くするほど、家庭ゴミが減ることは過去の取り組みから明らかになっている(JNEWSについてトップページ
有料化されるゴミ問題解決ビジネス新規参入の方向性

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JNEWS会員配信日 2021/2/17

 環境省の調査によると、日本では一人あたり1日に約900g、年間で3トンを超すゴミを出している。特にコロナ禍では在宅時間が増えたことから、各自治体でゴミの回収量が増えており、大きな負担になっている。家庭や事業所から回収されたゴミの中で、選別されてリサイクルされるのはおよそ2割に過ぎず、残りの8割は中間処理施設で焼却や破砕をした後に、最終処分場に埋められている。

《ゴミの回収処分ルート》

全国には約1600ヶ所の最終処分場があるが、ゴミを埋められる容量は年々減っており、残余容量は全国平均で21.6年しかない。新たな処分場を作ることについては、環境汚染や住民の反対から難しく、どの地域でも処分先の確保には頭を悩めている。この「ゴミ処理問題」は、社会全体で解決すべき課題であり、民間の事業者にとってもビジネスチャンスとして浮上している。

ただし、ゴミの回収運搬と処分については法規制が厳しく、国や自治体からの許可を取得した業者でなくては参入することが難しい。ところが、不法投棄の問題から、新規で行政からの許可が下りるケースは少ないのが実情である。その中で、どんなビジネスモデルを構築していくのかが、起業者にとって手腕の見せどころとなっている。

【ゴミ回収有料化の方向性とローカルルール】

 各自治体では、ゴミ処理場の残余年数を少しでも延ばすため、ゴミの削減運動に力を入れている。具体的な策としては、ゴミ回収を有料化することが経済的インセンティブとして作用することが実証されており、現在は全国で65%以上の市町村が家庭ゴミの有料回収を実行している。

ゴミ回収を有料化する方法は、自治体指定のゴミ袋をスーパーやコンビニ店舗などで販売する際に、回収料金も合算して徴収するのが一般的であり、ゴミ袋1リットルあたり0.5~2円に設定されている。大サイズ(40L)のゴミ袋1枚は20円~80円となるが、回収料金を高く設定するほど、市民のゴミを減らそうとするモチベーションを高めることができる。

東京都武蔵野市の場合には、2004年から家庭ゴミ回収の有料化を実施しており、現在は40Lサイズのゴミ回収袋1枚あたりが80円で販売されている。それに伴い、住民1人のゴミ排出量は1日あたり630gで、全国の平均値(918g)よりも下げることに成功している。

武蔵野市のごみ量・ごみ減量への取り組み

しかし、市民の中には、有料ゴミ袋を何枚でも使う人もいるため、ゴミ袋をたくさん使うほど1枚あたりの単価が高くなる「ゴミ排出量多段階比例型」の料金設定を導入している自治体もある。

長野県伊那市では自治体指定のゴミ袋を販売する際に2段階のチケット制を導入している。1段階目のチケットは各世帯にゴミ回収袋1セット(10枚入)を購入できるチケットを年に1回無料で配布する。そのゴミ袋を使いきった世帯向は2段階目のチケットを1枚1500円で購入する方式だ。ゴミ袋の価格は、大サイズ50円、中サイズ40円、小サイズ30円となっており、各世帯は2段階目のチケット代+ゴミ袋の料金をゴミ処理費として支払うことになる。この方式により、伊那市では住民一人あたりのゴミ排出量を469gに抑えることを目標にしている。

ゴミ袋購入チケットについて(伊那市)

このように、ゴミの回収については各自治体が有料化していることに加えて、ゴミの分別や出し方についても細かなローカルルールが決められている。ゴミ出しのルールが自分の生活スタイルと合わないため、他の地域に引っ越す人もいるほどだが、「ゴミ回収=有料」の意識が定着すれば、ゴミ問題を解決する民間サービスへのニーズも高まってくる。しかし、民間業者がゴミの回収や運搬を行うことについては複雑な規制があり、新規参入することが難しい。

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