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プライベートブランドを柱とした小売業界の再編トレンド

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JNEWS会員配信日 2020/10/30

 コロナ禍以降、消費者の節約志向が進んでいることは、統計からも明らかになっている。総務省の家計調査によると、2020年5月から8月にかけて一般家庭の実収入は大きく伸びた。これは、国民1人あたり10万円が支給された特別定額給付金が臨時収入となったためだ。一方、消費支出では前年比で顕著なマイナス傾向がみられる。つまり、給付金の大半は預貯金として蓄えられ、消費には向かっていない。一部で消費が伸びたのは、在宅率が高まったことによる家事用品、家具類と、感染対策に備えた保険医療品だけである。

《2019~2020年の家計収入と支出(前年同月比)》

《消費支出の内訳(2020年8月)》

こうした節約志向は、来年以降も継続するとみられ、小売業界では家計の消費支出が縮小する中でも、消費者に求められる商品を提供し、かつ利益が出るビジネスモデルを再構築していく必要がある。その具体策として、動きが慌ただしくなっているのが、プライベートブランドの商品(PB商品)を充実させることである。

たとえば、コンビニでお茶を購入するのに、飲料メーカーの商品(ナショナルブランド商品)はペットボトル1本あたり130円するのに、コンビニチェーンが独自に販売しているPB商品は100円で販売されており、3割もの価格差がある。これは消費者にとって大きい。

国内で2万店舗以上を展開するセブンイレブンは、「セブンプレミアム」という独自ブランドの商品開発を2007年から開始して、2019年には4,150アイテムで売上は1兆4,500億円に成長。セブン系列店舗で販売される食品の中では、既にPB比率が50%を超している。

これらのPB商品を製造するのは、セブン&アイグループが組織化している「日本デリカフーズ協同組合」という団体で、そこには味の素、東洋水産、エスビー食品、ハウス食品、森永乳業、カルビーなどの大手食品メーカー(約90社)が加盟して、セブン専用の工場(全国280ヶ所)を稼働させている。

セブン&アイグループ(3382)は、セブンイレブン(日本と海外)の他にも、イトーヨーカ堂、ヨークベニマル、そごう、西武百貨店などの系列小売業を持ち、トータルでは約12兆円の売上規模があることから、メーカー企業にとってもセブンプレミアム商品の受託製造は、大きなビジネスになっている。

《セブン&アイグループのPB製造経路》

セブンのPB商品が、メーカーブランド品よりも安く販売できるのは、協力メーカーに対して商品の買取保証を行うことで、安価な仕入を実現させているためだ。
消費者にとって、メーカー品と同等の品質で価格が安ければ、PB商品を買わない理由は無く、無意識のうちにPB主体の買い物スタイルへと移行している。

こうしたPB商品への傾倒は、コンビニ以外でも、ホームセンター、スーパー、ドラッグストア、ECサイトなどにも広がっており、小売業の形態が大きく変化してきている。来年以降の小売業は、ナショナルブランドからプライベートブランドへの移行が急速に進むと予測されている。その前哨戦として、大手量販店チェーンの中では、ライバル業者を買収する動きが慌ただしくなっている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・PB商品を柱としたホームセンター業界の再編
・世界で変化する商品ブランドの価値観
・米スーパーチェーンのストアブランド開発動向
・ストアブランド商品の付加価値の高め方
・ストアブランドに移行する消費者の購買特性
・スモール事業者のプライベートブランド立ち上げ
・アマゾン販売データを活用した商品開発の方法
・プライベートラベル製造業者の探し方
・アパレル業界に起きる国内回帰とオンデマンド製造
・中国に依存するサプライチェーン破綻の構造と影響度
・D2C型で展開されるアパレルブランドの透明性と採算構造

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